2020 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞浸潤のモデリングと解析と数値シミュレーション
Project/Area Number |
19F19701
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野津 裕史 金沢大学, 数物科学系, 教授 (00588783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOLBE NIKLAS 金沢大学, 数物科学系, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2019-07-24 – 2021-03-31
|
Keywords | がん細胞浸潤モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、がん細胞が広がる現象について、数値シミュレーションの研究を進めました。特に、効率的かつ数学的信頼性のある数値シミュレーション手法の開発を行いました。本研究で取り組むがん細胞浸潤モデルは、細胞が局所的に集中する効果を持つ、いわゆるケラー・シーゲル型の方程式系です。このモデルを安定かつ高精度に解くためには、細胞が集中する空間的な位置に適切な解像度の節点を配置する必要があります。[J.A. Carrillo, N. Kolbe, and M. Lukacova-Medvid’ova. J. Sci. Comput., 2019]で提案された数値計算スキームはWasserstein測度を用いた興味深いものですが、空間1次元であることを本質的に利用した方程式の変換が行われており、空間多次元への拡張は容易ではありませんでした。我々は、新たにラグランジアン・アダプティブ・ムービング・メッシュ法を開発し、方程式の変換を行わずに、十分な計算精度の結果を得ることに成功しました。空間1次元性を用いないため、2次元への拡張が比較的容易です。汎用的な数値計算スキーム構築のために、2次元では三角形分割を用い、比較的単純な移流を伴う問題に対して有効性を確認しました。有限体積法と組み合わせた、ラグランジアン・アダプティブ・ムービング・メッシュ有限体積スキームの基礎アイデアを構築しました。数値解析を行い、移流問題について、スキームが質量を保存することを示し、また、(メッシュを動かすが細分化・粗化しない場合の)誤差評価も得ました。比較のために、癌の進行と転移において重要な役割を果たすことで知られる uPA モデルについて、1次元での実装を行い、良好な結果を得ました。これらの結果をいくつかの学会において報告しました。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|