2019 Fiscal Year Annual Research Report
Developing High Temperature Thermoelectric Materials and Modules of Th3P4 Structure Type
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19F19720
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森 孝雄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (90354430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SRINIVASAN BHUVANESH 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 熱電材料 / カルコゲナイド系 / キャリア制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱を電気に直接変換する熱電材料の応用が期待され、最近は室温近傍のエネルギーハーベスティング応用が注目される一方、高温での、火力発電所のトッピングサイクルなど、省エネに大きく貢献できる応用も期待されている。本研究では、ターゲット材料として、最近高温で高性能熱電材料として注目を集めているTh3P4型構造のR3Te4化合物などの材料に着目している。本年度は、欠陥制御やカチオンサイトのドーピングによるキャリア制御などを通しての学術的に高性能の機構解明を進めるために、主に合成プロセスや基礎物性の解明を行った。R3Te4化合物の希土類元素Rの依存性を有する可能性があることが分かった。また、関連テルライド化合物であるGeTe化合物に関して、LiIという珍しいドーピングによって高性能化の知見が得られ、欠陥の生成過程の重要性が明らかになり、国際ジャーナルEnergyへの論文発表を行った。本成果を発展させて熱電物性の複合的な制御に成功した研究によりさらに高性能の材料が初期的に得られており、次年度に論文をまとめる予定である。一方で、テルライドTe化合物だけでなく、同じくカルコゲナイド系化合物で、アニオンをTeからSに変えた硫化物において共同研究に貢献して、Fe7S8化合物でFeにCoを置換ドープした結果、結晶構造転移が誘起されて、p型特性をn型特性に大きく変化させることに成功して、熱電性能の高性能化が得られた。本成果は、キャリア制御の顕著な成功例として、国際ジャーナルJournal of Alloys and Compoundsへの論文発表を行った。また、国際会議での成果発表も招待講演1件を含む3件と積極的に行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況は概ね良好に進んでいると考えられる。その理由として、具体的には、複数の中高温材料であるカルコゲナイド熱電材料において、ドーピングによって、顕著なキャリア制御に成功して、熱電性能の高性能化にも成功している。例えば、GeTe化合物に関して、LiIという珍しいドーピングによって高性能化の知見が得られ、欠陥の生成過程の重要性が明らかになり、国際ジャーナルEnergyへの論文発表を行った。そしてアニオンをTeからSに変えた硫化物において共同研究に貢献して、Fe7S8化合物でFeにCoを置換ドープした結果、結晶構造転移が誘起されて、p型特性をn型特性に大きく変化させることに成功して、熱電性能の高性能化が得られた。キャリアの特性をきわめて大きくp型特性からn型特性に転換できた、制御の顕著な成功例として、国際ジャーナルJournal of Alloys and Compoundsへの論文発表を行った。また、Th3P4型構造のR3Te4化合物は合成が難しい化合物として知られているが、本年度は、主に合成プロセスや基礎物性の解明を行い、今後、欠陥制御やカチオンサイトのドーピングによるキャリア制御などを通して、学術的に高性能の機構解明を進めるための準備ができたので順調と思われる。国際論文誌に2編論文が出版され、国際会議においても招待講演1件を含む3件と積極的に成果発表が行われており、順調な進捗と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、去年度までの合成や基礎熱電物性に関して得られた知見を活かして、Th3P4型構造のR3Te4化合物などの材料において、欠陥制御やカチオンサイトのドーピングによる本格的な熱電的性質(電気伝導度、ゼーベック係数、熱伝導度)の高性能化研究を進める。R3Te4化合物においては、カチオンとして、Dy、Hoなどの元素を選定して、材料開発を進める。また、関連物質のGeTe化合物に関して、去年度、高性能化の知見が得られ、欠陥の生成過程の重要性が明らかになり、これに基づいて、欠陥制御・高性能化の研究を進める。本成果を発展させて熱電物性の複合的な制御に成功した研究によりさらに高性能の材料が初期的に得られており、本年度論文をまとめる予定である。一方で、テルライドTe化合物だけでなく、同じくカルコゲナイド系化合物で、アニオンがTeからSに変わった硫化物の高性能材料に関しても、本質的な低熱伝導率を内在するスピネル構造などを有する複数の有望な系を見出しているが、本研究で創出している欠陥制御やカチオンサイトのドーピングなどによる高性能化の手法を活用して、高性能熱電材料開発を進める。 本研究で生み出される研究成果の特許出願の可能性を検討して、学会発表を活発に行いながら、論文を速やかにまとめて出版発表する。
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Research Products
(5 results)