2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exact WKB analysis, spectral networks and topological recursion
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19F19738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩木 耕平 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (00750598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIDWAI OMAR 東京大学, 大学院数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-10-11 – 2022-03-31
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Keywords | 位相的漸化式 / 完全WKB解析 / BPS構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
受入中の外国人特別研究員 Omar Kidwai 氏とともに位相的漸化式と完全WKB解析とスペクトル・ネットワーク, 特にBPS構造に関する研究を行い、以下の成果を得た: (i) 超幾何微分方程式, およびその合流として得られる微分方程式の古典極限に位相的漸化式を適用した際に, (自由エネルギーだけでなく) 量子曲線の Voros 係数もBPS指数の数え上げとして記述できることを示した. (ii) Voros 係数の Borel 和が BPS 構造に付随する Riemann-Hilbert 問題の解となることを示した. (iii) 自由エネルギーの Borel 和を「 Barnes の G-函数で記述する公式を与え, それと Bridgeland 氏が導入した BPS 構造に付随するタウ函数が本質的に一致することを示した. これらは昨年度に得られていた成果の拡張であり, すでにプレプリントとしてまとめ, 雑誌に投稿中である. また Kidwai 氏はイタリアで行われた位相的漸化式のスクールに参加し, これらの成果について発表も行っている。コロナウイルスの影響により昨年度までは海外渡航は難しかったが, 科研費の繰越を行ったおかげで上記の研究集会に参加して様々な情報を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Borel和やStokes現象を解析することで、位相的漸化式とBPS構造の関係性を解析的な観点からも理解することができるようになった点はよかったが、高階方程式の完全WKB解析への応用に関しては大きな進捗が得られなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究遂行中に, Bridgeland 氏がいくつかの興味深い論文を執筆した. そこでは Joyce 構造や, それに付随するタウ関数が導入されている. これらと位相的漸化式や完全WKB解析との関係性を探ることも今後の興味深い課題であるように思われる.
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