2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19F19759
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蜂須賀 恵也 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (00748650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEISTER DANIEL 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-10-11 – 2022-03-31
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Keywords | レイトレーシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コンピュータグラフィックスの画像の生成に使われるアルゴリズムである、レイトレーシングの高速化について研究を行った。特に、与えられたレイ(半直線)と物体との交点を高速に計算するたのデータ構造について研究を行った。その中でも、木構造に注目し、従来から使用されている二分木以外の構造として、二つ以上への分岐をする多分木について、レイトレーシングに最適な構造を見つけることを目的とした。しかしながら、研究を進めていくにつれ、当初は最適でないと考えられていた、既存の手法としての二分木から多分木への変換の効率が想定上に良い事がわかり、一定の性能向上は得られたものの、現時点では発表に値するような成果は得られていない。そのため、この方針での対外的な研究発表は行わなかった。しかしながら、関連する研究成果はI3Dに投稿し採択された。 そこで、年度の後半においては研究課題を変更し、レイトレーシングにおけるデータ構造を、光伝搬シミュレーションにおける数値積分問題に適用する枠組みを研究することにした。特に、木構造を高速に生成する手法に注目し、数値積分を木構造を用いて効率的に行う手法について研究を進めている。現時点で主に検討中のアイデアは、モンテカルロ積分におけるサンプル点をもとに木構造を構築し、サンプル点だけを用いるよりも計算誤差の少ない推定を行うというものである。このアイデアでは、積分の計算を、被積分関数の近似と、近似された関数の積分という2ステップに明確に分ける。その後、被積分関数の近似を木構造で行い、木構造の特徴用いることで近似された関数を解析的に積分するという手法を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた木構造の最適化に取り組んだが、予想していたような性能向上が得られず、年度の途中で研究課題を変更するに至ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、レイトレーシングにおけるデータ構造を用いた積分計算の高速化についての研究を推進する予定である。また、今年度の前半で行っていた、レイトレーシングにおけるデータ構造の知見をまとめたものを、サーベイ論文としてコンピュータグラフィックスの学会に投稿予定である。
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Research Products
(3 results)