2019 Fiscal Year Annual Research Report
Shaping Conducting Polymer Fibers by Means of Electrochemiluminescence Microscopy
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19F19769
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲木 信介 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (70456268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VILLANI ELENA 東京工業大学, 物質理工学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | 電気化学発光 / バイポーラ電気化学 / イメージング / 導電性高分子 / バイポーラ電極 / ルテニウム錯体 / ルミノール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、バイポーラ電解重合法において、電気化学発光(ECL)を導入することにより、成長する導電性高分子ファイバーまたは薄膜の成長方向や次元を制御することを目的とする。当研究室ではこれまでに、交流バイポーラ電解重合により導電性高分子ファイバーまたは薄膜が電場方向に自発成長する挙動を見出しているが、成長する導電性高分子自体がバイポーラ電極として振舞うため、成長とともに徐々に高電圧が印加され、樹枝状に成長してしまうことが課題であった。そこで本研究では、バイポーラ電解重合中に共存させた発光団のECLシグナルを検出し、バイポーラ電極の活性サイトを可視化するとともに、フィードバック制御により印加電圧を自動制御する。これにより活性サイトの局在化を達成し、電解重合の過剰反応を抑制することができるため、成長制御が期待される。 2019年度は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)薄膜をバイポーラ電極化した際にECL発光を観測するための反応系最適化を行った。従来法によりPEDOTファイバーまたは薄膜を電場方向に成長させたものをバイポーラ電極化し、ルテニウム錯体/トリプロピルアミンなどのECL系を導入してECL発光の観測を試みた。その結果、ルテニウム錯体系のECL発光は観測されず、PEDOTをバイポーラ電極化として用いた場合にルテニウム錯体からのECL発光が阻害されたことが示唆された。一方、ルミノール/過酸化水素のECL系を用いたところ、PEDOTフィルムの端点からの青色発光が観測され、本手法に用いるECL系として適していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は約半年間の研究期間であり、本研究を進めるための装置のセットアップや試験稼働に時間を要した。それにもかかわらず、実施計画に沿って最適なECL系の探索や電解パラメーターの最適化を進めることができた。 以上のことから、おおむね順調に進進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、PEDOT薄膜をバイポーラ電極として用いてその端点よりECL発光を観測することに成功したため、今後は、PEDOT薄膜をバイポーラ電解重合により合成する際に、ECL系を導入し、PEDOT薄膜の成長と同時に端点からのECL発光を観測できるかどうか検討を行う。うまくいかない場合には改めてECL系の最適化を検討するとともに、PEDOTとECL発光試薬との反応の様子を含め詳細に見極める。
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Research Products
(2 results)