2020 Fiscal Year Annual Research Report
随伴形式とspherical多様体の超曲面のトレリ型問題
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19F19780
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小木曽 啓示 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40224133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RIZZI LUCA 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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Keywords | 無限小Torelli問題 / hypersurfaces / Massey product / 有理等質多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の主題である無限小Torell型定理とそれに密接に関わる周期写像の微分などについて調べ、いくつかの新たな結果を得ることができた。その結果は、論文 "Luca Rizzi, On Massey products and rational homogeneous varieties"にまとめ、ArXivに公表した(ArXiv:2012.06375).具体的には、ピカール数が1である有理等質空間の超曲面に対し、その周期写像の微分をMassey積の観点から調べ、周期写像の微分が与えられた無限小変形方向に消えることとを、より代数的な条件である、ある種の捻じれ微分形式が超曲面のヤコビイデアル環の元になることと同値であることを(2つの例外を除き)示した。また、トーリック多様体の拡張である対数的平行化可能多様体と呼ばれる多様体の超曲面に対し、その超曲面が属する豊富線形系に対する自然な条件のもとで、無限小Torelli型定理が成立することを示した。上記研究以外にも、やはり、Massey積を用いた、曲線上の多様体の半安定族の双対的微分形式に関する、Zucconi教授との共同研究を行い、論文"Luca Rizzi, Francesco Zucconi, FUJITA decomposition and Massey product for fibered varieties"にまとめ、ArXivに公表した(ArXiv:2007.01473).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績概要にも述べたように、2020年度は、当該研究分野に関する2つの論文を作成し、公表するなど、研究進捗状況は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画の主題である超曲面に対する無限小Torell型定理の研究、特に、有理等質空間の超曲面に対する無限小Torelli型問題とその周辺、2020年度に着手した対数的平行化可能多様体と呼ばれる多様体の超曲面に対する無限小Torelli型問題とその周辺の研究を更に推進させることで、最終年度の締めくくりとしたい。
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Research Products
(2 results)