2019 Fiscal Year Annual Research Report
Ligand-directed chemistry as a tool for studying NMDA receptors in central nervous systems
Project/Area Number |
19F19808
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜地 格 京都大学, 工学研究科, 教授 (90202259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAUSER JACOB 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2019-11-08 – 2022-03-31
|
Keywords | 膜タンパク質 / ケミカルラベル / 生細胞イメージング / 機能阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルタミン酸受容体であるNMDA受容体やその他の膜受容体の細胞や脳内での局在や機能解析、機能制御を目指して、受容体選択的なケミカルラベルの戦略開発とその応用によって膜受容体機能の詳細を解明しようとするものである。初年度は、NMDARと同様に、シグナル伝達を担う重要な膜受容体の一つであるEGFRを選択的にケミカルラベル化するための、ラベル化分子の分子設計とその合成スキームを確立することに集中した。リガンド指向性化学の中で、我々の研究室で膜タンパク質に対して実績のあるアシルイミダゾール(AI)化学を利用することを第一選択肢とし、EGFR最適な小分子リガンドを文献検索によって注意深く選び、リガンドの有機合成を行った。その後に、ラベル化剤全体の化学合成スキームを、これまでのアシルイミダゾール化学に倣って考案した。現在、リガンド合成とともに中間体であるリンカー部分の合成が完了した。今後、リガンド部分をAI部分と連結した後の化合物の安定性に注意を払いつつ、リンカー長が異なるラベル化分子を3、4種類化学合成する予定で進めている。中間体として得られた化合物の同定には、NMRや質量分析装置を活用して行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来日後、研究室のスタイルにも馴染んで、合成からスタートしている。合成スキームの考案は順調に進み、ラベル化剤の完成までもう少しのところまできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
二年度以降は、初年度に化学合成を進めているラベル化剤の合成を完成させる。その上で、これを使った性能評価を行う。具体的には、EGFRを過剰発現したHEK細胞をまず作製し、それを使ってラベル化の選択性を効率/速度などの特性を、ウエスタンブロッティングと共焦点顕微鏡による細胞イメージング実験から定量的に評価する。Hauser君は、生化学や細胞実験の経験は全くないので、技術習得を含めて、いろいろな訓練が必要となりそうである。もしラベル化の結果が期待通りであれば、内在性の受容体を標的とした実験系へと進む。もし、選択性が不十分であったりラベル化速度が遅いことがわかった場合には、ラベル化剤の分子構造を見直し、適切なリガンドを再検討することや、リンカーの長さや自由度などの最適化を行い、これらをモデル細胞系での実験で評価する。
|
Research Products
(1 results)