2009 Fiscal Year Annual Research Report
物質新機能開発戦略としての精密固体科学:機能複合相関新物質の探索と新機能の探究
Project/Area Number |
19GS0207
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島川 祐一 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (20372550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 輝男 京都大学, 化学研究所, 教授 (90296749)
東 正樹 京都大学, 化学研究所, 准教授 (40273510)
倉田 博基 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50186491)
木村 滋 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (50360821)
小口 多美夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90253054)
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Keywords | 固体化学 / 物質合成 / 微細加工 / 構造解析 / 電子状態計算 |
Research Abstract |
本研究では新物質開発・新物性探索を中心に実験を進めているが、高圧合成法を用いて幾つかの新しいAサイト秩序型ペロブスカイト酸化物を見出し、放射光X線や電子顕微鏡を使ったナノ構造解析、第一原理計算による電子状態解析を進めた。その他、高圧法により合成されたBiCoO3の構造やスピン状態についても、実験と電子状態計算の両面から、その大きな歪みを持った結晶構造と特異なスピン状態についての理解が進んだ。また、無限層構造単結晶薄膜に関する研究では、CaFeO2への還元過程において、酸素の拡散に異方性があることを明らかにした(Nature Chemistry誌掲載)。この成果は、低温で動作可能な燃料電池などへの応用展開も考えられるため、イオン伝導体としての物性評価も今後進めていく予定である。電流-磁気機能複合相関に関しては、電流印加下のスピン波の速度や振幅の測定から、スピントロニクスで重要な材料定数であるスピン分極率などを定量的に評価することが可能であることを明らかにした。 評価技術に関しては、SPring-8放射光を利用した高分解能マイクロX線回折装置にシングルバンチ切り出しX線チョッパーシステムを組み合わせることに成功した。これにより、サブナノ秒オーダーの時分割マイクロX線回折測定が可能となった。走査型透過電子顕微鏡には電子エネルギー損失分光法を複合して、原子分解能像を観察しながら特定原子サイト近傍の電子構造を探索するサイト分解EELS法を開発した。物質合成グループが作製したLa2SnCuO6薄膜やCaFeO2.5薄膜についてナノレベルの構造歪みや欠陥構造を明らかにすることが出来た。
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Research Products
(62 results)