2007 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞系の統合的理解を目指した細胞接着・細胞骨格研究の新展開
Project/Area Number |
19GS0313
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月田 早智子 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (00188517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 淳 大阪大学, 生命機能研究科, 特任助教 (00362525)
佐々木 博之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60170693)
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Keywords | 上皮細胞 / プロテオミクス / 細胞間接着装 / クローディ / ノックアウトマウス / バリア |
Research Abstract |
上皮組織を構成する上皮細胞は、多細胞生物において、体表面をおおうシート構造を形成して、体内のコンパートメントを形成し、ホメオスターシスを保つという本質的な役割を担う。「多様な上皮細胞の機能」についての分子的基盤の研究は充分というにはほど遠いのが現状であり、当該研究分野の問題点であり、本研究においてはその解析を行なっている。本年度の実績の概要は以下のようである。 先進的プロテオミクスにより同定した新規細胞間接着装置構成蛋白質を含む多様な分子群による上皮細胞シートの形成とシートの特性の制御機構 私達の確立した方法により肝臓毛細胆管画分から単離精製した細胞間接着装置画分について、優れた細胞分画法の開発と質量分析を組み合わせて、この画分を構成する遺伝子を総括的に把握することができ、そのなかの新規膜蛋白質について、解析を手がけた。本研究で対象とする新規蛋白質は4種類であるが、その抗体の作製は極度に難しいという状況で、ようやくそのなかの1種類のものについてモノクローナル抗体を得ることができた。その他のものの抗体作製は困難をきわめており、現在、ノックアウトマウスの作製を行なっている。うち、2種類のものについて、ヘテロのマウスが得られている。さらにかけあわせにを重ねることにより、将来的にノックアウトマウスを得ることができると思われる。また、細胞間接着装置を構成する新規細胞骨格成分については、2種類のものの抗体を得ることができ、それらについて、RNAiを用いて、細胞レベルでの機能解析を進めている。 上皮細胞間バリアーによる上皮細胞シートの物質透過性及び物性の制御機構 クローディンを中心として、細胞間の物質透過性の制御機構を、細胞レベルと個体レベルの両面から解析している。細胞レベルでは、細胞間の構成蛋白質の制御システムを開発し、その細胞の生理学的測定をすすめている。また、個体レベルでは、クローディンのノックアウトマウスの作製を推進して、細胞間バリアーの測定を行なった結果、細胞間バリアーの制御機構の一端が分子レベルで明らかになった。 その他、アピカル膜の機能解析など進めることができた。
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