2019 Fiscal Year Annual Research Report
光害の光源は何だろう? みんなで街灯マップを作ろう! -市民参加型スペクトル調査-
Project/Area Number |
19H00043
|
Research Institution | 福井市自然史博物館 |
Principal Investigator |
加藤 英行 福井市観光文化局, 学芸員
|
Project Period (FY) |
2019
|
Keywords | 光害 / 街灯 / 市民調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
・研究目的 星空観察に影響のある照明環境の調査から、教育や観光分野において地域資源となる星空環境の価値を明らかにし、市民へ光害の認識・啓発を広めるため、本研究では市民調査による福井市内における街灯と星の見え方調査、および夜空の明るさと色の調査を実施し、その関係を明らかにすることを目的とする。 ・研究方法 (1)『市民調査』星図を比較する方法で星の見え方と手作り簡易分光器を用いた街灯調査を実施する。 (2)『夜空の色と明るさの調査』市民調査から得られる結果を検証する目的で、分光器とCMOSカメラを用いた夜空のスペクトル強度測定、デジタルカメラを用いた色指数と夜空の明るさ測定をすることで、夜空の明るさと色の傾向を示す。 ・研究成果 市民調査による星の見え方の報告は、29件得られた。手作り簡易分光器を用いた街灯調査の報告は、3件得られ、11基の光源に対して、LED照明は8基(約73%)、蛍光灯・水銀灯は3基(約27%)であった。市民調査によって、観察期間中、JR福井駅から5km以内のすべての観察場所で、2等級、または3等級まで観察されたことがわかった。一方、JR福井駅から5km以上離れた観察場所では、80%の報告で4等級、または5等級まで観察されたことがわかった。 以上の結果から、市街地(JR福井駅から5km以内)よりも、市街地から離れた山間部(JR福井駅から5km以上)の方が星の見やすい環境であることが示唆された。 しかし、観測データを計画どおり取得することができず、本研究の目的である街灯と夜空の色、夜空の明るさについての知見を得られることには至っていない。そのため、研究期間延長申請の承認を受け、令和2年度も引き続き、調査を継続する計画である。
|