2019 Fiscal Year Annual Research Report
フランス高等教育における日本語教育の現在及び日本思想研究への進学者に関する研究
Project/Area Number |
19H00046
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Research Institution | 文部科学省 |
Principal Investigator |
木元 麻里 文部科学省, 教科書調査官
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | フランス高等教育 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フランス高等教育機関において日本語教育が現在、①どのような教授法・教材を採用しているか、②学習者の動機・背景、教員の採用・構成がいかなるものかについて調査すると共に、③日本思想研究者の進路分析を行うことを目的とするものである。これらを通じて、日仏間の文化・思想交流の今後の可能性と課題を抽出するのが狙いである。本年度はその予備的調査として、INALCO(フランス国立東洋言語文化大学)の斎藤多香子氏の協力を得ることができた。年度の前半は氏と調査時期について連絡をとりつつ、8月29日から9月1日にかけて南山大学で開催されたヨーロッパ日本哲学ネットワークに参加し、斎藤氏を含め内外の研究者たちとの交流から研究動向を調査した。その後、12月にフランスでの現地調査を行ったが、12月5日に始まり長期に及んだフランス全土の交通機関ストライキと重なり、出席・出講可能な学生・教員が非常に少なく、アンケート実施を断念した。滞在中は、数少ない実施授業を見学し、教員・学生と交流を図ると共に、教員たちから各々今後の調査協力の承諾を得た。又、これらの現場見学を通して、当初準備していたアンケート内容の見直しを図った。ストライキの余波に続き、新型コロナウイルス感染(COVID-19)の世界的拡大により、結果として年度内にアンケートを実施することが不可能となったが、調査実施に向けての問題設定・視点の精査・改善を行うことができたことは、人的交流も含め評価できる点と考える。フランスの日本語教育の現状について、学習者と教員双方の構成・背景等を含め、実地調査・分析・追跡を行うアプローチは、両国の人的交流の実態を捉え直す上で、今後、意義のある調査となるはずである。2019年度は前述の事情により当初の計画通りに進めることができなかったが、引き続き来年度に調査を行い、その分析結果について発表を行う予定である。
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