2019 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアにおける幼小接続期STEM教育を踏まえたモデル単元の開発
Project/Area Number |
19H00070
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Research Institution | 大阪市立大江小学校 |
Principal Investigator |
稲井 雅大 大阪市立大江小学校, 指導教諭
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 幼小接続期 / プログラミング / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児教育の重要性が世界で見直される中、日本では「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が示された。そこには「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」も挙げられ、幼小接続期における科学教育の実践的な課題も方向付けられつつある。しかし、第1・2学年においては「徐々に各教科等の特質に応じた学びにつなげていく」と述べるに留まり、幼小接続期における科学教育に関する具体的な実践開発ならびにその検討は、直面する最重要課題といえる。 これに対して、5歳児から小学校義務教育が始まるオーストラリアでは、2016年から10年計画で国、州が戦略を立て計画的にSTEM教育を進めている。その動きは早く、メルボルン州では全ての学校にSTEM専用校舎が設置されたり、課外時間に有料でSTEM補習が行われたりしている。 そこで本研究では、オーストラリアに見られるSTEM教育の特徴をとらえるとともに、それらを参考に、幼小接続期におけるプログラミング教育を中心としたモデル単元の開発とカリキュラムの開発に取り組むこととした 年度当初に国内外の事例をもとに調査・分析をし、特に環太平洋地域における関連情報(幼小接続期STEM教育の情報)を収集した。そして子どもたちの学習活動における姿やアンケートによる実態把握をもとに、系統性を図りながら単元開発をした。実践では、幼児(5歳児)・児童(1、2年生)の思考場面や活動の記録から分類を行うとともに、指導者へのインタビュー等から試行実践の効果について検討した。そして国内外の学会において、成果を報告するとともに、改良しカリキュラム試案としてまとめた。 今後の課題は、実践例を増やし、多くの単元開発に挑むことでカリキュラムの妥当性や客観性を高めていくことである。日本と同様の学校システムであるオーストラリアでも実践の可能性を検討し、さらなるカリキュラムの汎用性、体系化を図っていきたい。
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