2019 Fiscal Year Annual Research Report
小学校理科における科学法則の構築過程を通した批判的思考力の育成に関する研究
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19H00082
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Principal Investigator |
中山 貴司 広島大学, 附属東雲小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 科学法則 / 批判的思考力 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、小学校理科における科学法則の構築過程に基づく指導法を考案し, 実践を通して児童の批判的思考力を育成することができたかどうか検証することである。 そこで, まずは, 科学法則が構築される過程について文献を基に整理し, 科学法則の構築過程に基づく指導法を考案した。次に, 既に作成している批判的思考力測定質問紙に合わせて, 全体やグループでの発話やワークシートなど指導法の効果を検証することができる評価方法について検討した。 そして, 第6学年の単元「てこの規則性」において, 考案した指導法を実践した。その際, 多くの児童を対象として, より実証性を高めるために2クラスで実施した。その後, 授業前後で用いた質問紙や授業中の発話内容, ワークシート記述など複数の視点から考案した指導法の分析・検討を行った。 その結果, 本研究で考案した科学法則の構築過程に基づく指導法は, 結果について筋道立てて考える力(合理的思考)や, 多様な見方を通して疑問を生み出す力(探究的思考)といった批判的思考力を育成することに寄与したことが明らかとなった。 このような結果が得られたことについて, まず, 様々な条件のもとで結果を導く学習を行ったことにより「~という条件ならば…になる」という筋道立てて考える力を身に付けることができたと考えられる。また, 均一な棒を用いた実験をした後, そこで習得したてこの規則性を利用して不均一な棒について考えさせたことにより, 同じ条件や異なる条件について考えながら, 多様な視点から探求的な思考を働かせることができたと考えられる。それ以外にも, 条件を付けて問いかけることにより, 予想や考察を考えたり実験したりする内容が限定され, 限定された条件の中で正確に実験を行う力を身に付けることもできた。
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Research Products
(1 results)