2019 Fiscal Year Annual Research Report
通信制高校数学Iにおける主体的に学べる自学自習用動画教材の開発と実践
Project/Area Number |
19H00084
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Research Institution | 愛知県立旭陵高等学校 |
Principal Investigator |
加藤 圭太 愛知県立旭陵高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 通信制高校 / 自学自習 / 動画教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
通信制高校で数学Iを学ぶ生徒の自学自習を支援するために教室で黒板を使って撮影した講義動画を150本以上配信してきた。しかし, 講義動画には以下の2点の課題があるのではないかと考えた。 ①動画を視聴する際に, ノートを取らずにただ視聴しているだけの生徒が多く, 学習が受動的で、効果的なものになっていないのではないか。 ②不登校経験のある生徒が教室で撮影された動画に, 心理的に抵抗感を感じているのではないか。 これら2点の課題を解決し, 不登校経験のある生徒も含めたすべての生徒がより主体的かつ効果的に学べる自学自習用動画教材を開発・実践するために, 本研究に取り組んだ。 iPad上で, PDF化したプリントに解説をしながらApple Pencilで書き込みを行い, その過程と音声を画面収録機能で撮影した手元動画を学習サイト上で53本配信した。生徒には, 動画の中で使用するプリントをまとめた資料集(動画1本あたり1~4ページ)を配布し, 動画の解説と同じようにプリントに書き込みをしながら視聴することで, より主体的かつ効果的に自学自習ができるようにした。学習サイト上では, 講義動画も配信し, 生徒はどちらも視聴可能とした。 同じテーマの手元動画と講義動画それぞれ53本について, 令和元年5月から令和2年2月までの期間の動画1本あたりの平均再生回数を比較すると, 講義動画14.7回に対して手元動画は16.2回であり, 講義動画よりも手元動画の方が通信制高校のより多くの生徒に視聴された。また, 前期レポート最終回でのアンケート調査で回答のあった69人の生徒のうち、手元動画を視聴した生徒は33.3%(23人)であった。手元動画を視聴した生徒に「手元動画は参考になったか」という質問に, 「参考になった」「やや参考になった」と回答した生徒は87.0%(20人)であったことから手元動画は視聴した生徒の自学自習に概ね役立ったと言える。
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