2019 Fiscal Year Annual Research Report
中学校における知財教育をテーマにした教科横断的な授業デザインと効果
Project/Area Number |
19H00102
|
Research Institution | 四天王寺学園高等学校・中学校 |
Principal Investigator |
吉田 拓也 四天王寺学園高等学校・中学校, 教諭(中高)
|
Project Period (FY) |
2019
|
Keywords | 知財教育 / 教科横断 / 中学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知財教育をテーマにした中学校における教科横断型の授業デザインを提案し、その実践を通して生徒の学びを検証するものである。構想は、技術・家庭科技術分野(以下、技術科)を主軸として音楽科や技術・家庭科家庭分野(以下、家庭科)、美術科、理科を対象に、生徒に知的財産における正しい知識や見方、考え方を持たせることができるような題材や活動内容を設定した。 技術科では、知的財産に関する基礎知識を学ぶとともに、対象教科での活動との接点を見つけ出して、先行技術として知的財産を取得している事例を紹介した。その上で、音楽科では生徒の創造性を活かした音商標づくりに挑戦したり、家庭科では国内外における海賊版や模倣品の現状を基に、自らの行動についてグループで話し合ったりした。美術科ではお菓子のパッケージづくりを通して意匠権の取得要件を考えたり、理科ではエネルギー変換の観点でジェットコースターを題材とし、ユーザの視点では気づかない優れた特許技術について学んだりした。 成果として、いずれの構想においても技術科を主軸とした教科横断型の授業デザインを無事に実践することができた。授業後に生徒へ実施した質問紙調査では、知的財産への知識や見方、考え方が期待通り変容したことが確認された。生徒の自由記述でも各授業に向けた積極性や学びに向かう態度が肯定的に変化したことがわかる記述が見受けられた。この実践において、中学校の知財教育における教科横断型授業の成果を示せたことは、高等学校の知財教育に向けても足がかりとなることが期待できるであろう。
|