2019 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者向け音声触図タブレットツールの開発とその活用について
Project/Area Number |
19H00146
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Research Institution | 愛知県立名古屋盲学校 |
Principal Investigator |
細川 陽一 愛知県立名古屋盲学校, 教員
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 視覚障害 / 音声触図 / 経穴地図 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 目的 視覚障害者が図形や地図を把握する手段の一つとして、形が紙面から浮き出した触図を使用している。これは触って物の形が把握でき、図に描かれている要素の位置関係が理解できる利点がある。一方、図の点や線と点字説明文とを触って判別することが難しく、指導者から説明を受けなければ理解ができないことがある。 これを解決するために、図の読み取りが簡単にでき、独力で学習が可能となるよう、タブレット端末で触図上の指を認識し、図の内容を音声案内する音声触図ツールの開発を目的とした。また、視覚障害者が多く従事する鍼灸マッサージの資格取得には、経穴の知識を習得することは必須であるが、触って確認できる図は作成されていないため、本ツールを用いた経穴の学習教材を開発した。 2. 方法 触図デザイナーと協力して経穴触図を作画した。画面読み上げ機能が搭載されているスマートホンやタブレット端末のカメラ機能を利用することで、作画した触図上を学習者が触ると、指先の位置を動的に認識し、図の内容を音声案内するアプリ作成を計画した。 3. 成果 図は触って判別しやすいように身体を11部位に分割して作成した。 アプリの指先検出は先行研究の機械学習の手法を組み込んで実現した。5名の対象者に8種類の触図上に置いた手を3種類の明るさ条件の下で指先の認識が可能かを実験した結果、図の種類に影響されず、十分な明るさの下では指先検出の精度は98%であった。また、A4版の触図と学習者の手がカメラに入る40cmの距離に端末を設置し、一定の指を動かす動作により、人差し指の下の図に対応する情報を音声で案内することが可能であった。 これにより、経穴の名称や部位、それに効能に関する音声案内を聞くことができ、図に集中し、視覚障害者が独力で使用できる学習教材が作成できた。今後はどのような触図にも簡単に音声情報が付加できるアプリの開発が必要である。
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Research Products
(5 results)