2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H00164
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Principal Investigator |
岡本 邦夫 群馬工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 機械シミュレーション / 同時多軸NC加工 / グループウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、群馬工業高等専門学校の機械工学科2・3年生を対象とした3軸加工教育を発展させて、昨今の機械加工現場で求められる同時多軸NC加工スキルを身につけるための基礎的な取り組みを高専教育に導入し、その教育効果を検証することを目的としてなされた。さらに、実加工に必要とされる材料や形状による切削加工条件や加工ノウハウについて高専生や指導者向けのデータベースを構築し、グループウェアによる情報共有を行うことで技能継承の基礎を整えた。 機械シミュレーションソフト「VERICUT」を活用した教育プログラムを開発し、機械工学科5年生選択科目「機械工学特論Ⅱ」に試験導入した。まず、3D-CADソフトウェア「Solidworks」とCAMソフトウェア「Mastercam」を使用し、研究代表者が過去に製作した実験装置部品を題材に、同時多軸NC加工に必要な加工パスの作成に取り組んでもらった。その後、「VERICUT」によってPC上で同時多軸加工シミュレーションを行うことにより、学生が作成した加工パスの問題点や改善点を視覚的に確認させた。このように、シミュレーションを活用することで、通常は実加工に膨大な時間がかかるNC工作機械学習を短時間かつ効率的に実施できるようになった。 限られた授業時間内で、多軸加工時の動作や進入時のアプローチ方法、切削パターン、機械干渉に伴う工具突出量、ホルダー選定などの同時多軸加工に必要とされるスキルの多くをPC画面上で教育できる利点は大きく、CGによる視覚的なわかりやすさも好評であった。多軸加工の動作理解やCAM操作、プログラム学習に関する学生の達成度は高く、本研究の取り組みによる優れた学習効果が認められた。その一方で、加工条件のデータベース化と情報共有の試みについては、加工条件が機械性能や選択工具、加工形状にも依存しているため、理論的な学習は座学で理解したつもりでも実際に加工となると難しいとの意見があり、実機械の活用や有益な情報提供が今後の課題と言える。
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