2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H00233
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Principal Investigator |
真島 吉將 有明工業高等専門学校, 技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 超硬脆材料 / 超砥粒工具 / ツルーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で申請者は真空中で動作する簡易ツルーイング装置を試作した. ダイヤモンドやCBNなどの超硬脆材料を砥粒として用いる電着工具は金型の仕上げ研削に用いられるため, 良好な研削面が求められる. 砥粒が非常に硬いので, 砥粒の突き出し高さを揃える操作(ツルーイング)が困難であった. ダイヤモンドドレッサーを用いたツルーイングでは, 工具の超砥粒にダメージを与えてしまい, 工具寿命が短縮してしまう. 比較的に柔らかい石英工具を用いたツルーイングも試られているが, 大気中では石英工具が摩耗してしまうため, 精密なツルーイングができない. 申請者が開発したツルーイング装置は, 真空中で石英工具によるツルーイングを行う. 真空中では, 大気中よりも弱い研磨条件(研磨速度が遅い, または接触圧力が小さい)でもダイヤモンドの研磨は進むことが明らかになってきている. 本装置はそれを電着砥石のツルーイングに応用したもので, 真空チャンバー内で石英工具円板と電着工具を回転させ, 定圧で接触させることができる. 研究実施計画に示した通り, 本装置によりツルーイングを施した電着工具を用いて, 超硬合金(K種)を被削材とした研削実験も実施した. ツルーイングを行っていない工具では, 研削面粗さは30nmSaだったのに対して, ツルーイングを行った工具では17nmSaの良好な研削面を獲得した. ツルーイングの条件(研磨速度, 接触圧力)などは今後も検討の余地があり, 今後の研究により更なる工具の高度化が期待できる. 本装置による研究成果は学会発表1件と卒業研究2件にまとめられ, 来年度以降も継続される.
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