2019 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤投与誘導型Chst14遺伝子欠損マウスの樹立と効率的な遺伝子欠損誘導方法の確立
Project/Area Number |
19H00327
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Principal Investigator |
嶋田 新 信州大学, 基盤研究支援センター動物実験支援部門, 技術職員
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 筋拘縮型エーラスダンロス症候群 / DI-Chst14KOマウス / 遺伝子欠損誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋拘縮型エーラスダンロス症候群(mcEDS)の疾患モデル動物として、現在Chst14欠損(KO)マウスが用いられているが、この系統は出生率が低く効率的な繁殖が難しい。そこで我々は、Chst14コンディショナルKOマウス樹立のため、Chst14 floxマウスを作出した。本研究では、Chst14欠損による出生率低下を回避するため、タモキシフェン(Tamox)投与誘導型Chst14 KOマウス(Chst14 flox homo ; Cre-ERT2 homo)の樹立と、効果的な遺伝子欠損誘導のための投与方法の検討を行った。 初めに、Chst14 floxマウスにCre-ERT2マウスを交配して、DI-Chst14 KOマウスを樹立した。次に、Tamoxの投与量10、25、50または100mg/kgで5日間の腹腔内投与または、Tamox添加飼料(0.2g/kg、自由摂食)での経口投与を5日間行った。25mg/kg腹腔内投与群では、投与期間後0、7、14、28日目の皮膚でそれぞれ、31.4±13.6%、40.6±12.6%、39.6±9.0%、49.1±5.8%のChst14欠損誘導を認めた。各解析時期での50、100mg/kg腹腔内投与群および、経口投与群での欠損率は、25mg/kg腹腔内投与群と有意差を認めなかった。10mg/kg腹腔内投与群の欠損率は、1.6±5.5~3.2±2.7%であった。 以上の結果から、Tamoxの投与量と遺伝子欠損率は必ずしも相関しないことが明らかになった。また、25mg/kg以上の投与量では欠損率は変わらず、Tamox投与量の増加は副作用のリスクが増す可能性があるため、効果的な欠損誘導には、25mg/kg腹腔内投与が適していることが示唆された。さらに、本研究で得られた知見を基に、今後は、より高い欠損率を実現するために、投与期間等の検討を行う予定である。
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