Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
構築済みの膜電位感受性色素(VSD)光計測システムを基に、フィルタ交換等の工夫で、1つのシステムでVSD計測と高速内因性シグナル(FIOS)計測を可能とした。さらに本計測システムを用いて、偏光あり、偏光なしの透過光下での単発刺激、高頻度刺激の計測を行い、薬理実験も行った。VSDと比較すると、FIOSはシグナルが小さくノイズの多いデータではあるが、各実験の結果はVSDの結果と近似していた。今後さらに研究を継続し、より効果的なFIOSシグナルを得て、VSDによる毒性のない、無染色脳スライス光計測を行いたい。
膜電位計測の歴史は長く、最初に発見されたのは1940年代の神経興奮に伴う光学的性質の変化である。その後、1970年に入って膜電位感受性色素の開発がなされ、1990年代後半から膜電位感受性蛋白(GEVI)の開発がされている。しかし、当初の神経興奮と光学的性質の変化の物理化学的機構は解明されていない。本研究で測定しているFIOSは、膜興奮と直接関連する光学性質の変化で重要である。
神経科学光計測