2019 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病におけるJAK/STAT経路の遺伝子多型と分子標的薬濃度との関連
Project/Area Number |
19H00342
|
Principal Investigator |
鐙屋 舞子 秋田大学, 医学部附属病院, 薬剤主任
|
Project Period (FY) |
2019
|
Keywords | 慢性骨髄性白血病 / BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬 / STAT |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】Janus kinase/signal transducer and activator of transcription(JAK/STAT)経路は造血器疾患において重要な役割を果たしており、慢性骨髄性白血病(CML)においてはSTAT5の活性化がCML細胞の生存に必要不可欠であることや、STAT5の過剰発現がチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)抵抗性を示すこと等が報告されている。STAT5の遺伝子多型のうち病態との関連が深いSTAT5 rs6503691C>T等と治療効果、およびBCR-ABL TKIの血中濃度との関連を検討した。 【方法】イマチニブ(IM)で分子遺伝学的効果(MMR)に到達するも分子遺伝学的完全寛解(DMR)未達の為ニロチニブ(NIL)に変更した試験63例、IMでDMR達成後NILにて2年間地固め療法を施行し治療薬を中止した試験78例を対象とした。各TKIの血中濃度はHPLCを用いて測定し、STAT5の遺伝子多型はPCR-RFLP法を用いて解析した。 【結果】解析を行った141例中、12ヵ月および18ヵ月時点でのMMR達成は50例および74例であった。STAT5 rs6503691 C/C多型は58例、C/TおよびT/T多型は83例であり、これらの多型間でのMMR到達率を検討したが、12ヵ月および18ヵ月時点いずれにおいても有意な差は認められなかった(P=0.219およびP=0.118)。12ヵ月時点でMMRを達成した50例のNIL血中トラフ濃度を測定したところ、その中央値は、STAT5 rs6503691 C/C多型(24例)で1120.9 ng/mL、STAT5 rs6503691 C/TおよびT/T多型(26例)で1259.7 ng/mLであり、有意な差は認められなかった(P=0.573)。今後は評価対象とする治療期間を拡大し検討を進める。
|
-
-
[Presentation] Plasma concentrations of tyrosine kinase inhibitors influence cerebrospinal fluid penetration2019
Author(s)
鐙屋舞子, 高橋直人, 山下鷹也, 郭永梅, 奈良美保, 鵜生川久美, 藤島眞澄, 藤島直仁, 吉岡智子, 亀岡吉弘, 三浦昌朋
Organizer
第81回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都)
Year and Date
2019-10-12