2019 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた脳血流及び脳温度評価による早期アルツハイマー病画像診断法の開発
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19H00436
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Principal Investigator |
渋川 周平 東海大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 脳脊髄液 / 脳温度 / アルツハイマー型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 MRIを用いて脳の萎縮を形態的に評価することで認知症診断が可能だが, 形態評価のみでは早期のアルツハイマー型認知症(軽度認知障害 : MCI)を診断することは難しい. そこで脳血流及び脳温度に着目し, 両者を測定することで早期アルツハイマー型認知症画像診断が可能かどうか検証した. 【研究方法】 臨床場面で使用できる現実的な撮像時間に最適化する事と測定精度を検証する事を目的に健常ボランティアによるパルスシークエンスの開発を試みた. 具体的には造影剤を用いずに組織の血流情報を得るarterial spin labeling(ASL)法と脳温度測定に使用する拡散強調画像(DWI)の二法の改良を行った. 最適化して得られた画像から脳をセグメンテーションして, 各局所における脳血流マップと脳温度マップから相関マップを作成が可能か試みた, また, 複数回測定及び解析することで得られる画像の再現性も検討した. 次に認知症検査(MMSE)によって早期アルツハイマー型認知症を疑う患者群のMRIデータを取得し, 健常ボランティアデータとの比較を行った. 【研究成果】 ボランティアによるASL法と脳温度測定の検証により, 臨床場面で使用可能なパルスシークエンスの最適化を達成した. ASLにおいては過去文献を参考にpost labeling delayを二種類撮影することが好ましく, 脳温度測定ではDiffusion tensor imaging(DTI)を応用し, 異方性を加味した処理を行うと精度高く測定できることが明らかとなった. 一方, 臨床データではMMSEによって早期アルツハイマー型認知症を疑う患者群とボランティア群に有意な差が認められなかった. これは早期アルツハイマー型認知症群に重度の症例が混在していたことが要因と考えられ, 今後症例数を増やすとともに重症度を詳細な検査を用いて区別し, 解析する必要がある.
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Research Products
(2 results)