2019 Fiscal Year Annual Research Report
Ca2+センサーのAAVベクターでの共発現と最適化
Project/Area Number |
19H00438
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Principal Investigator |
岡村 理子 東京大学, 医学系研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | アデノ随伴ウイルス / カルシウムセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : 本研究では、アデノ随伴ウイルス(AAV : adeno-associated virus)ベクターを用い、特定神経細胞で発現する各色のCa2+センサーを作製し、複数色のCa2+センサーを同一領域に発現させる系を開発することを目的とする。 ○研究方法、結果 : 1. 同一領域に、同一血清型のAAVを複数種導入しても、細胞の同一血清型に対する受容体数に限りがあるため、高タイターでの感染を試みても、発現量が期待されるほどは得られなかった。そこで多種の血清型のCa2+センサーを作製を試みた。これまで確立したSf9細胞で作製する系を複数の血清型に適用し、各血清型AAVベクターに必要なコンポーネントを発現させるバキュロウイルス、およびCa2+センサー遺伝子をもつバキュロウイルスを作製し、共感染させることにより、異なる血清型のAAVベクターを作製した。引き続き、各血清型における①精製方法、②二つのバキュロウイルスの感染割合について検討し、高い力価ウイルスを作製するための最適化を試みた。またSf9細胞システムに平行して、HEK293細胞システムの作製法でも、各血清型の精製方法を検討した。さらに、特定神経細胞での発現を可能にするため、興奮性神経細胞特異的プロモーターや誘導調節可能な構造を持つベクターの構築を試みた。 2. トランスジェニックマウスと子宮内電気穿孔法を組み合わせ、作製したCa2+センサー発現AAVベクターをマウス脳にインジェクションすることによって、複数色のCa2+センサーを発現させることに成功した。 これら成果の一部を活用し、Ca2+センサーのin vivo脳発現に実用化した(Inoue et al. Cell 2019)。
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[Journal Article] Rational Engineering of XCaMPs, a Multicolor GECI Suite for In Vivo Imaging of Complex Brain Circuit Dynamics.2019
Author(s)
Inoue M, Takeuchi A, Manita S, Horigane SI, Sakamoto M, Kawakami R, Yamaguchi K, Otomo K, Yokoyama H, Kim R, Yokoyama T, Takemoto-Kimura S, Abe M, Okamura M, Kondo Y, Quirin S, Ramakrishnan C, Imamura T, Sakimura K, Nemoto T, Kano M, Fujii H, Deisseroth K, Kitamura K, Bito H.
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Journal Title
Cell
Volume: 177
Pages: 1346-1360
DOI
Peer Reviewed