2019 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療における高精度な測定を可能にする新しいファントムの開発
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19H00472
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Principal Investigator |
纐纈 純一 筑波大学, 附属病院, 診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 放射線治療 / 3Dファントム / 3Dプリント |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療において、密度差が大きい不均質構造中を陽子ビームが通過することで生じる線量測定精度の不確かさについて報告がなされている。放射線治療を高精度に実施するためには、これらの誤差を実測により、正確に見積もり、治療計画に検証結果を正しくフィードバックする必要がある。しかし、実臓器の複雑で微細な形状を考慮した線量測定を、汎用のファントムで行うことは困難であった。そこで本研究では、3Dプリンターを利用することで、この問題を解決することを試みた。方法として、適度なランダム性を持ち、且つ、密度や材質が変更可能な新しい不均質構造ファントムを、肺や骨に見られる海面構造を参考に、数理技術によって作成した。さらに、この新しいファントムの基本特性の検証を行った。検証項目として、実際の陽子線ビームを使用して、方向依存性を確認した。また、ファントムの更なる適応拡大のための初期検討として、様々な材質で実用レベルの造形が可能かを、試作品を作成して検証した。 結果、方向依存性は実用可能レベルで小さく、プリント可能な材質としては、アクリル樹脂、シリコンゴムなど、硬度や、弾性が様々な材質でも作成可能であることを確認した。これにより、材質を変更することで、人体の様々な部位に応用が可能になり、静態ファントムとしてだけではなく、動態ファントムとしての可能性も見出すことができた。また、既に陽子線治療にて詳細な実測実験を行った肺モデルに関しては、高精度に線量測定が可能であることを確認し、結果を論文にまとめて発表した。さらに、関連する国際学会においても発表を行い、放射線治療部門においてBest Poster賞を受賞した。今後は、更に臓器特有の動きも考慮可能な動態ファントムの開発を行う予定である。
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