2019 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者のための眼球運動計測デバイスによる感性伝達人工物操作システムの開発
Project/Area Number |
19H00502
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Principal Investigator |
青柳 宏昭 木更津工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 神経難病 / 視線入力 / 眼球運動計測デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
1、研究目的 本研究の目的は神経難病者間で負担が少なく簡単に相互コミュニケーションができる感性伝達人工物操作を実現することにある. 実際に神経難病者宅を訪問して直接意見を伺った結果などから, 視線による入力で同じ場に居るかのようにコミュニケーションを取ることが可能な人の上半身の動きを表して感情等を伝える感性伝達人工物システムを構築してきた. しかしながら視線入力で感性伝達人工物を操作する場合, これまでのシステムでは神経難病者が長時間使うには負担が大きくなる. 視線入力にはアイトラッカーと呼ばれるパソコン用デバイスや視線追跡機能を内蔵するヘッドマウントディスプレイを用いてシステム構築をしてきたが, 装置の設置や装着には微調整が必要であり, 視界がディスプレイで覆われてしまうことから神経難病者の長時間使用は難しくなる. そこで視界が覆われずに簡単に装着可能な眼鏡型の眼球運動計測デバイスを用いて, 眼球2自由度の入力で感性伝達人工物を操作するシステムの開発を行った. 2、研究方法・成果 今回開発を行ったシステムでは眼球運動計測デバイスとして眼鏡型の眼電位センサーを搭載したJINS MEME(JINS社製JINS MEME ES)を用いて視線移動検知を行い, 視線の動きから感性伝達人工物を操作している. 感性伝達人工物には, 受け答え用に「はい」「いいえ」「どちらでもない」を, 感情や気分を表現する「喜び」「悲しみ」「嫌気」等の動作モーションを作成して登録しており, これまでの視線入力ではディスプレイ上の注視点を計測することで実行モーションの選択を行っていた. 本システムでは眼球運動の上下左右2自由度の動きを計測可能なデバイスを用いているため, 選択カーソルを移動させて動作を決定する仕組みとしてシステム開発を行い, 視線から感性伝達人工物の操作が可能であることを確認した. 今後は入力精度検証や神経難病者による動作確認等をして修正調整を行う予定である.
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