2019 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児者にとって読み書きがしやすい書体に関する研究
Project/Area Number |
19H00504
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Principal Investigator |
工藤 真生 筑波大学, 附属大塚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 書体 / 知的障害 / 読みやすさ |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 本研究は、知的障害者にとって読みやすい書体を明らかにする。得られた結果は、児童生徒の学習教材は勿論、サイン・各種申請書・服薬説明書等、公共及び医療デザインに反映させることで、知的障害者にとってよりわかりやすい環境づくりに寄与できる。 2. 研究方法 (1)18歳以上の知的障害を有する計27名を対象に、10.5インチタブレットを使い、画面に表示される2種類の書体で記載された横書き文章のうち、わかりやすい方を選んでもらった(サーストンの一対比較法)。書体は、ゴシック体、明朝体及び教科書体を各5種類とした。Windows, Macに標準採用されている書体4種、A社UDフォントを各1種(ゴシック体・教科書体)とした。 (2)(1)の比較とあわせて、明朝体及び教科書体、ゴシック体それぞれ4種の標準書体の太さをUDフォントの太さと同じ太さに補正した状態で同様の調査を行った。 3. 結果 (1)知的障害者にとって読みやすい書体 【明朝及び教科書体】標準書体 : 游明朝体0.250, UD教科書体0.172, ヒラギノ明朝体-0.012, MS明朝-0.198, DFP教科書体-0.212、太さ補正あり : 游明朝体・ヒラギノ明朝体0.103, UD教科書体0.051, MS明朝0.000, DFP教科書体-0.256【ゴシック体】標準書体 : MSゴシック体0.280, UD新ゴシック0.221, メイリオ0.000, 游ゴシック-0.248, ヒラギノ角ゴ-0.252 太さ補正あり : UDゴシック0.390, MSゴシック体0.134, メイリオ0.131, ヒラギノ角ゴ-0.209, 游ゴシック-0.446 (2)個別聞き取り「書体の太さによって色が異なって見える。細い書体は薄い色にみえる。太い書体の方が読みやすい。」という意見が得られた。
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