2020 Fiscal Year Annual Research Report
美術市場とその国際化に関する制度論的、交流史的研究。西洋から日本・アジアへの展開
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19H00519
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
圀府寺 司 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50205340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 頼子 目白大学, 社会学部, 客員研究員 (10337636)
安永 拓世 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 主任研究員 (10753642)
池上 裕子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20507058)
青野 純子 明治学院大学, 文学部, 教授 (20620462)
後小路 雅弘 九州大学, 人文科学研究院, 特任研究員 (50359931)
出川 哲朗 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立東洋陶磁美術館, 館長 (50373519)
陳岡 めぐみ 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (50409702)
五十殿 利治 筑波大学, 芸術系(特命教授), 特命教授 (60177300)
礒谷 有亮 京都産業大学, 文化学部, 助教 (70845304)
尾崎 彰宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (80160844)
上原 真依 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90609463)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 美術市場 / 文化経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は西洋と日本の間でいち早く美術品の取引を始めた画商のひとりS.ビングについての研究を中心に進めた。国外における調査がコロナで不可能になったため、ビングの日本滞在や日本との取引に関する調査ならびにウェブ・アーカイブなどオンライン・リソースで可能な調査を優先させて一定の成果が得られた。日本での調査はビングの日本支社S.Bing & Coのあった横浜および神戸の法務局や横浜開港資料館などにおいて実施した。 当初、この研究の成果を発表する予定であったTIAMSA(The International Art Market Studies Association)の国際学会(エジンバラ大学、2020年7月)は2021年に延期になったが、今年度2021年の5月から7月にかけてオンラインで開催されることになった。この機会を活かし、研究者のネットワーク形成にもつなげたい。 その他、Artnetにおけるオークション情報の活用、経済学部の研究者の数量的分析への協力など、他の研究の可能性も引き続き探ってきた。 研究分担者もコロナの制限下において、各自工夫して成果を出してきている。日本国内の研究には大きな支障はないため、東京文化財研究所の売立目録デジタルアーカイブ化の研究は順調に進んでいる。これは日本における諸成果のうちでも特に重要なもので、将来の作品来歴・市場研究につながるものとして特筆しておきたい。この他、オランダ、アメリカなどについても後述の業績内容で示すように継続的に一定の成果は得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ下において国外における調査研究がほぼ不可能になり、また、国際学会も中止や延期されるなど、研究の遂行ならびに発表に対して大きな制限が生じているのはまちがいない。特に本研究はグローバル・マーケットを研究対象とし、国外にフィールドを持つ研究者がほとんどであるため制約はかなり大きい。 しかし、そのような状況下でも、国内で遂行可能な研究テーマや優遇されているオンライン上での調査などと優先的に取り組むなど、工夫しながら研究は遂行している。学会も一部中止、延期されてはいるが、オンラインでの開催も定着しており、活用はできている。全体的にやや遅れ気味なのは致し方ないが、本年度後半以降に本来の研究活動を推進できるよう準備は進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前半はコロナによる制約がはずれる見込みは少ないため、国内とオンラインでの研究活動を進めるとともに、今年度後半以降の本格的研究実施にむけての準備を進めていく。国際学会TIAMSA The International Art Market Associationへの入会ならびに同会主催の学会での研究発表、国際研究ネットワーク形成などは進めている。 最終年度にあたる2023年度以降に国際シンポジウムを開催し、シンポジウム報告書を刊行する予定であり、そのための準備を今年度から進めていきたい。
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Research Products
(9 results)