2021 Fiscal Year Annual Research Report
Social Studies on Conflicts over Isahaya Bay Reclamation
Project/Area Number |
19H00571
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
樫澤 秀木 佐賀大学, 経済学部, 教授 (60214293)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 佳代 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (00276437)
加藤 雅俊 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (10543514)
開田 奈穂美 福岡大学, 人文学部, 講師 (10801863)
御幸 聖樹 同志社大学, 司法研究科, 教授 (20634009)
宮澤 俊昭 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30368279)
稲垣 浩 國學院大學, 法学部, 准教授 (30514640)
児玉 弘 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (30758058)
渡辺 千原 立命館大学, 法学部, 教授 (50309085)
岡庭 幹司 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (60272407)
徳久 恭子 立命館大学, 法学部, 教授 (60440997)
山下 博美 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (90588881)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 諫早湾干拓 / 有明海 / アンケート / 福岡高裁判決 / 紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.社会理論グループのアンケート班は、有明海沿岸四県の住民意識調査を行った。昨年度は、諫早市・雲仙市の住民2100名を対象としたアンケートを取ったが、今年度は範囲を広げて、有明海沿岸四県2100名とした。具体的には、各県の有明海沿岸部住民と県庁所在地住民に分けてサンプルを抽出し、アンケート票を郵送した。長崎県が島原市・諫早市沿岸部および長崎市中央地区、佐賀県が太良町・鹿島市と旧佐賀市、福岡県が大川市・柳川市と福岡市中央区、熊本県が荒尾市・宇土市と熊本市中央区である。現在、その分析を行っている。その分析の一部を、日本環境会議「諫早湾干拓問題検証委員会」で報告した。 2.社会理論グループ政治学・行政学班は、長崎県の資料を中心に収集し、分析に取りかかった。 3.法解釈学グループは、請求異議訴訟差し戻し控訴審の審理状況をフォローし、憲法学・民法学・民事訴訟法学・民事執行法学・行政法学・法社会学の各分野から、福岡高裁の2021年4月28日「和解協議の考え方」や2022年3月25日判決について検討してきた。とりわけ、2022年3月25日福岡高裁判決について批判的に検討を重ねている。また、同判決について研究会メンバー4名がマスコミにコメントを載せた。 4.以上の研究活動の中間発表として、九州法学会第126回学術大会において、シンポジウム「司法制度で処理できない紛争を、地域住民はどう考えているかー諫早湾干拓事業をめぐる裁判と住民アンケート結果からー」を開催し、樫澤秀木、加藤雅俊、西川佳代、児玉弘、開田奈穂美が研究成果を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の中ではあるが、本科研の大きな計画であった、二つのアンケート調査(諫早市・雲仙市住民を対象とするアンケート調査と有明海四県住民を対象とするアンケート調査)を無事、行うことができた。今後は、これらの結果の分析を行う。 また、政治学・行政学班は、国よりむしろ長崎県に焦点を絞り、その挙動を歴史的に明らかにすべく、資料を収集している。 法律学グループは、実際の裁判の進行に合わせ、憲法学、民法学、民事訴訟法学、民事執行法学、行政法学、法社会学などの多方面から、諸判決、とりわけ請求異議に関する福岡高裁差戻し審判決の理論的検討を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度には、オンライン・体面を含め、頻回に研究会を行い、研究を蓄積していく。また、2023年度に、法社会学会や環境社会学会など複数の学会で報告を予定し、その準備を進める。 研究最終年度である2023年度には、上記学会報告とそれを受けて研究成果の執筆に取りかかる。2024年度に研究成果をまとめて公刊する予定にしている。
|
Research Products
(20 results)