2021 Fiscal Year Annual Research Report
Economic analysis on patents and innovations based on long-term micro-data
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19H00587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90183029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 斉 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00209545)
齊藤 有希子 (梅野有希子) 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (50543815)
井上 寛康 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 准教授 (60418499)
中島 賢太郎 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (60507698)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イノベーション / 特許 / 生産性 / 経済史 / 空間経済学 / メカニズムデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトで進めている日本の全特許データの電子化は、本年度末までに1885-1971年、1981-1993年ついて完了し、引き続き1972-1980年の電子化作業を行っている。また、すでに完了した期間のデータを用いて、共同研究活動におけるface-to-faceの交流の意味を1918-1921年のスペイン風邪パンデミックを自然実験として利用し、検証する研究を進めた。 その際に、パンデミック以前の共同特許比率の大きさによって研究分野を共同研究集約的分野と共同研究非集約的分野に区分したうえで、両分野の間でパンデミックの影響がどのように相違するかを計量分析によって比較した。その結果、共同研究集約的分野の方が特許登録数がパンデミックから有意に大きなマイナスの影響を受けたことが明らかになった。これは研究開発におけるface-to-faceの協力の重要性を示唆する結果である。さらに共同研究集約的分野における特許登録数の減少は、主に新たに特許を登録する研究者の減少によって生じており、すでに特許登録の経験がある研究者についてはパンデミック期間中も単独特許を登録することでそれほど大きく登録件数が減少していなかった。この結果は、face-to-faceの協力が特に若い世代の研究者にとって重要であることを示唆している。本研究は、経済産業研究所のディスカッションペーパーとして公表した。ほんディスカッションペーパーは国際的にも注目され、VoxEUからの依頼をうけて、その要旨をVoxEUのウェブサイトに掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように1885年-1971年、および1981-1993年について全特許データの電子化が完了しており、完了した期間のデータを用いた実証研究も順調に進展してディスカッションペーパーとして発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き1972-1980年の特許データの電子化を進めるとともに、上記のディスカッションペーパーを本年度中に国際学術誌に投稿する。
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Research Products
(9 results)