2022 Fiscal Year Annual Research Report
Economic analysis on patents and innovations based on long-term micro-data
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19H00587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90183029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 斉 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00209545)
齊藤 有希子 (梅野有希子) 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (50543815)
井上 寛康 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (60418499)
中島 賢太郎 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (60507698)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イノベーション / 特許 / 生産性 / 経済史 / 空間経済学 / メカニズムデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトの目的は、1885年度から2016年度までの130年以上にわたる之本の全ての特許明細書の包括的データベースを作成し、それを他のプラント・レベル、企業レベル、地域レベル、マクロ・レベルの長期的データと統合して、イノベーションの発生メカニズムとその経済へのインパクトを研究することである。本年度は、前年度までに引き続いて、未完了だった1972年-1980年に関する日本の特許データの電子化を進め、1978年度を除いて1885年度以降の全特許データの電子化をほぼ完了した。この電子化作業と並行して、すでに電子化が終わったデータを用いた研究、およびそれと関連する研究を進めた。その一つは、戦前期の個別特許データと大学・高等工業学校卒業生データをマッチングして、発明・イノベーションにおける高等教育の役割を検証した研究である。本研究の結果、発明における大学・高等工業高校卒業生の比率が時間とともに上昇していったこと、大学卒業者が発明を行う確率は学校および学部によって有意に相違すること、発明の質を『帝国発明家名鑑』(1935年)に掲載されているか否かで測った場合、帝国大学卒業生はより質の高い発明をする傾向があったこと、卒業者による発明は経済活動が活発な地域の大学に集中する傾向があること、などが明らかになった。この他、前年度に作成した共同研究におけるface-to-faceの交流の役割に関する論文をいくつかのセミナー等で発表し、そこでの受けたコメントを踏まえて投稿のための改訂を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、1978年度1年度分を残して130年分の全特許データの電子化が前年度までにほぼ完了した。一方で、電子化が終わったデータについて情報の補足が判明したため、本年度は完成したデータに基づく研究と並行して情報の補足を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
特許データベースの早期の完成をめざすとともに、引き続き完成したデータを用いた研究の推進、論文の発表・投稿を行う。
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Research Products
(5 results)