2019 Fiscal Year Annual Research Report
Field experiments on reproductive, maternal, and child health care in rural Africa
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19H00590
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高崎 善人 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00334029)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 開発経済学 / COVID-19 / 健康 / 障害 / 貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、斬新なフィールド実験を行うことで、発展途上国の貧困女性の健康管理行動を深く理解し、母子健康管理の利用を促進する介入をデザインすることである。初年度の終わりにCOVID-19が発生し、想定していたフィールド実験が実施不可能となり、状況が改善するのに相当の時間を要することが予想された。COVID-19による途上国貧困層の脆弱性が顕著となり、貧困層の健康、生計、生活がどのように影響を受けた(る)かを検証することが、エビデンスに基づく政策に不可欠となっている。 この大きな環境変化に対応して、次のようにプロジェクトの見直しを行った。まず特定の途上国で大規模家計調査を行い、詳細な実態把握を行う。障害者は特に脆弱で、COVID-19による問題の深刻化が懸念されるが、アフリカにおいては障害者に関する基礎データそのものが欠如している。それに対処すべく、アフリカの障害者データの構築と分析を行う。それらの結果を踏まえ、ポストコロナの新しい環境下での途上国の貧困・保健問題に対応すべく、発展した形のフィールド実験の可能性を探る。主に次を実施した。 1. 途上国におけるCOVID-19研究の文献調査 2. カンボジアにおけるCOVID-19、健康、選好に関する家計調査:同調査を企画・立案し、カンボジア社会経済調査2021の一環として全国規模で行うべく、カンボジア計画省統計局と協議、検討した。独自の調査票を作成し、調査員研修、調査準備、パイロットを経て、主調査の一部が実施された。 3. アフリカの障害者についての研究:アフリカ諸国の既存の家計調査データをもとに、障害者を特定する手法を開発し、実践した。この障害者データをもとに、障害と貧困の関係について分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19に対応したプロジェクトの見直しに多大な時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.途上国におけるCOVID-19研究の文献調査 2.カンボジアにおけるCOVID-19、健康、選好に関する家計調査:カンボジア計画省統計局と協力して、継続して行う。 3.アフリカの障害者についての研究:新たに構築したアフリカ諸国の障害者データを使ってテーマ研究を行う。具体的には、(1)国別障害者割合の推定、(2)障害と貧困の関係、(3)紛争と障害の関係、(4)障害にかかわる差別と文化の関係、を扱う。(3)と(4)は、関連する空間データと連結させることで可能となる。 4.フィールド実験に関する文献調査、現地状況把握
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Remarks |
Igei, Kengo, Kana Takio, Keitaro Aoyagi, and Yoshito Takasaki. 2020. “Vocational training for demobilized ex-combatants with disabilities in Rwanda.” CIRJE Discussion Paper F-1155
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