2020 Fiscal Year Annual Research Report
The study of creativity at individual and group levels using large scale biological data
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19H00597
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原田 勉 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (20294192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 哲也 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (40397815)
古和 久朋 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60396728)
伊藤 宗彦 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90362798)
鈴木 竜太 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80295568)
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10347263)
小川 進 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80214021)
平野 光俊 大手前大学, 現代社会学部, 教授 (10346281)
松本 陽一 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (00510249) [Withdrawn]
日置 孝一 神戸大学, 経営学研究科, 経営学研究科研究員 (60509850)
陳 金輝 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (50777810)
小池 耕彦 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (30540611)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 創造性 / 拡散思考 / 収束思考 / Q学習 / fMRI / 探索 / 活用 / 脳神経基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、主に2つの実験を実施した。第一に、神戸大学の学部学生を対象とした大規模実験を実施した。2019年度は個人別の実験を実施したのに対し、本年度はグループレベルでの実験を行った点が異なる。具体的には、Psytoolkitでプログラムした心理実験(2腕バンディット)を、個人、ダイアド(2名のグループ)、トライアド(3名のグループ)、テトラッド(4名のグループ)に対して実施した。この実験を通じて、グループレベルでの学習をQ学習モデルとして定式化し、ゲームの成果や、逆温度やポジティビティ・バイアスなどを測定し、それらをグループ間で比較した。その結果、個人、トライアドにおける成果が高く、学習一貫性が見られるのに対し、ダイアド、テトラッドでは成果が劣り、学習一貫性も低下していることが明らかになった。これらの結果は、奇数人数のグループのほうが、偶数人数のグループよりも一貫した学習が可能になるため、成果も高くなるという仮説と整合的なものであり、仮説が実証されたものととらえられる。 第二に、生理学研究所の協力を得て、fMRI検査を通じて拡散思考、収束思考が脳部位や脳内ネットワークなどの脳神経基盤とどのように関連しているかの実験を実施した。2019年度は、RATという文字情報を扱った認知課題に対する実験を行ったのに対し、2020年度はRavenテストという図形情報のみを扱った認知課題に対する実験を行い、文字情報、図形情報によって活性化する脳部位がどのように異なるのかについて明らかにした。現段階では、2019年度の実験の解析が完了し、Raven テストの解析は現在、実行中である。2021年度はこれらの2つの実験結果をもとに論文を執筆する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で当初意図していたのは、大規模心理実験による創造性規定要因の実証分析、脳波計測、fMRI実験であり、そのなかで脳波計測は昨年度に実施したものの今年度はコロナ感染問題のため、大学施設が使用できず、実施できなかった。fMRIについては、生理学研究所の施設を利用して当初意図していた2つの実験のうち、1つがコロナ感染問題のため延期になっていた。緊急事態宣言などの影響で被験者の募集が遅れたことや、施設の利用が制限されていたことが理由である。しかし、今年度にそれを実施することができ、その実験結果を解析中である。計画通り実施できた実験についてはすでに論文にまとめ、海外のジャーナルに発表済のものが数件あり、順調な研究成果を達成している。以上より、脳波計測が実施できなかったところもあるが、そのことを除けば、概ね順調に進展しているため、上記を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、fMRI実験、行動データによる大規模実験、脳波計測実験、事例分析という4つの柱のもとで研究を進める予定である。具体的なスケジュールは次の通りである。 【fMRI実験】[4月~7月]昨年3月末に実施したfMRI実験データにもとづいた論文作成、[8月~12月]3回目のfMRI実験データの解析・論文執筆、[1月~3月]3回目のfMRI実験実施 【行動データによる大規模実験】4~7月大規模実験(オンライン)の実施、[8月~3月]実験データの解析 【脳波計測実験】緊急事態宣言が解除され、学内での学生を被験者とした実験が認められた時点で脳波計測実験を実施する 【事例分析】上記の実験に併行して、創造性についての組織行動論、戦略論、組織論、技術マネジメントという観点からの事例研究、概念的研究を行う。 なお、新型コロナウイルスによる学内閉鎖、実験自粛が継続している間は、上記の実験は実施できないため、この計画通りに実施できるかどうかは現在では見通せない。
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Research Products
(28 results)