2020 Fiscal Year Annual Research Report
外国人生徒の学びの場に関する研究ー特別定員枠校と定時制・通信制高校の全国調査
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19H00604
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
田巻 松雄 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (40179883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
スエヨシ アナ 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (10431694)
佐々木 一隆 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (20162357)
横溝 環 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (20733752)
中村 真 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50231478)
立花 有希 宇都宮大学, 国際学部, 講師 (60736198)
石川 朝子 帝京大学, 理工学部, 講師 (60759877)
三浦 美恵子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90709015)
鄭 安君 宇都宮大学, 国際学部, コーディネーター (70769455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多様な学びの場 / 外国人児童生徒教育 / 特別定員枠 / 定時制通信制課程 / 夜間中学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の進展に基づき、研究対象を「外国人生徒の学びの場」から「多様な学びの場」へ関心を広げた。具体的には、特別定員枠校、定時制通信制課程高等学校に公立・自主夜間中学を加えた。夜間中学では年齢、国籍、バックグラウンドが多様な人々が学んでいる。2021年4月に徳島県と高知県が県立の夜間中学を設置したことにより、公立夜間中学は現在36校となったが、設置されていない県は未だに多く、どのような公立夜間をどのように設置していくのかに関する研究が問われる。また、公立夜間中学が設置されていない地域を中心に自主夜間中学が市民ベースで活動しているが、自主夜間中学に関する研究は少ない。 一方で、2020年度はコロナ禍の影響で予定していたフィールドワークを十分に出来ず、いろいろと変更を余儀なくされた。そのような状況の中で、主に以下のような実績を上げた。 ・栃木県のすべての公立中学校を卒業した外国人生徒の進路状況調査を実施した。・宇都宮大学が10年に渡り実施してきた外国人児童生徒教育支援事業の成果と課題を多角的に整理検討する報告書を刊行した。・公立・自主夜間中学関係者と研究者が「公立・自主夜間中学の社会的意義と課題」を多角的に検討する集いを開催するとともに、その報告書を刊行した。その他、外国人生徒の進学システムに関する比較研究や地域日本語教室に関する調査研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で年度当初予定していたフィールドワークは中止・変更せざるを得なかったが、夜間中学を研究対象に加え、各地域から多くの関係者が公立・自主夜間中学の社会的意義と課題を検討する集いを開催し、その報告書を刊行した。宇都宮大学が主体となって実施してきた外国人児童生徒教育支援事業の成果と課題を多角的な観点から整理・検討する報告書を刊行した。定時制通信制課程の研究においては、主に宮城県を対象にフィールドワークを実施し、多様な学びの場として定時制通信制が担っている社会的役割を認識するとともに、定時制通信制課程のより包括的な研究を進めるための準備が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
夜間中学については、2021年4月に開校した徳島県立しらさぎ中学校と2022年4月に開校する札幌市立の夜間中学に主な焦点を当てた研究を進める。いずれも単独校として開校することを含め、従来夜間中学とは異なる大きな特徴を有している点で今後の開校に向けたモデルとしての意味が大きい。本研究が後押しすることとなった「とちぎに夜間中学をつくり育てる会」の設立および会が母体となって活動を進める自主夜間中学の進展について、夜間中学推進の1ケースとして研究を進める。夜間中学あるいは夜学に関する海外の動向を踏まえ、知見を得るための研究を進める。特別定員枠、定時制通信制課程、夜間中学を「多様な学びの場」として有機的に研究し、現代日本社会での「多様な学び場」の社会的意義と課題を実証的・理論的に検証する研究を進める。
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Research Products
(8 results)