2022 Fiscal Year Annual Research Report
外国人生徒の学びの場に関する研究ー特別定員枠校と定時制・通信制高校の全国調査
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19H00604
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
田巻 松雄 宇都宮大学, 国際学部, 名誉教授 (40179883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
スエヨシ アナ 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (10431694)
佐々木 一隆 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (20162357)
横溝 環 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (20733752)
中村 真 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50231478)
立花 有希 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (60736198)
石川 朝子 下関市立大学, 都市みらい創造戦略機構, 特任教員 (60759877)
佐々木 優香 筑波大学, 人文社会系, 特任研究員 (60907799)
三浦 美恵子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90709015)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 外国人児童生徒教育 / 多様な学び(場) / 夜間中学 / 定時制課程 / 特別定員枠校 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は4年間の研究成果として、研究協力者を含む12名で『外国人生徒の学びの場 多様な学び場に注目して』(下野新聞社)を上梓した。第一部では、学校における多様な学び場として、夜間中学、定時制、特別定員枠を、第二部では、学校以外の学び場および人と学び場をつなぐ場として、自主夜間中学、移民団体、外国人学校、外国人教育相談窓口を取り上げた。第三部では、学び場からの排除や外国人生徒が直面する固有の壁などを取り上げた。学校と学校以外の多様な学び場を網羅的に取り上げた書物は類がないと思われる。以下、各章とコラムのタイトルを示す。 第1章「外国人集住地域における多様な学びの場の現状と課題―子どもたちの関係流動性および承認/包摂から捉える―」。第2章「夜間中学・定時制高校の制度と機能-ドイツとの比較を通して」。第3章「定時制単位制高校における外国人生徒の教育を支える論理ー外国人特別入試枠をもつ市立札幌大通高校の事例からー」。第4章「台湾の夜間中学校の役割と社会的意義ー補習教育と生涯教育の狭間にー」。コラム「ペルーの教育制度における代替的基礎教育の位置付け」。 第5章「自主夜間中学での学びー組織らしくない組織による学校らしくない学校づくりー」。第6章「移民の子どもに求められる多様な学びの場ーペルー人移民団体を事例に」。第7章「学びをつなぐ場としてのブラジル人学校―北関東ブラジル人学校の事例」。第8章「人と学びをつなげるー『あーすぷらざ外国人教育相談窓口』が果たす役割」。コラム「自主夜間中学について考える研修会」。 第9章「排斥の実態とその背景にある心理学的プロセス」。第10章「学びから排除される外国につながる子どもたちの行方」。第11章「日本語習得をはばむ壁:母語との言語文化的距離に着目して」。座談会。 このほか、栃木県における外国人生徒の進路状況調査(12回目)も予定通り実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は4年間の研究成果として、研究協力者を含む12名で『外国人生徒の学びの場 多様な学び場に注目して』(下野新聞社)を上梓した。第一部では、学校における多様な学び場として、夜間中学、定時制、特別定員枠を、第二部では、学校以外の学び場および人と学び場をつなぐ場として、自主夜間中学、移民団体、外国人学校、外国人教育相談窓口を取り上げた。第三部では、学び場からの排除や外国人生徒が直面する固有の壁などを取り上げた。 このほか、栃木県における外国人生徒の進路状況調査(12回目)も予定通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、『外国人生徒の学びの場』の研究成果と課題を多面的に検証し、最終年度の実施計画を策定するが(5月予定)、以下のことを見込んでいる。第一に、過去数年コロナ禍の影響で十分に実施できなかったフィールドワークを可能な限り実施し、外国人生徒の学びの場に関する最新の動きや情報を収集・整理・発信する。第二に、夜間中学(夜学)の海外の動向(韓国、台湾、中国、南米、ヨーロッパ等)について、引き続き状況把握に努める。第三に、本研究を通じて、義務教育未修了者や形式卒業生の学び直しの場に関する国際比較研究の必要性、重要性が共有されてきたことを受け、そのための基礎的作業を行う。第四に、本研究は「外国人生徒の学びの場」に焦点を当ててきたが、より根底には「多様な学びの場」に関心があることを踏まえ、日本における多様な学びの場の現状と関連研究の到達点および課題についての総括的な検討を行い今後の研究課題を探る。
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Research Products
(3 results)