2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evidence Based Approach of Test Accomodation for students with visual impairments
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19H00623
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中野 泰志 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (60207850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氏間 和仁 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80432821)
柏倉 秀克 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (40449492)
永井 伸幸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50369310)
南谷 和範 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (90551474)
田中 良広 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (70392933)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚障害 / 試験 / 合理的配慮 / ICT / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
試験は、進学、就職、資格取得の際に必要不可欠である。特に、定期試験、入学試験、資格試験等は、進学や就職等に影響を及ぼす極めて重要な役割を果たす。しかし、現在、実施されている試験の多くはペーパーテスト方式であり、紙媒体の情報へのアクセスが困難な障害者、特に視覚障害者にとっては、大きなバリアである。そのため、問題の点訳・拡大、試験時間の延長等の配慮が必須である。しかし、事実上の標準である大学入試センター試験でさえ、提供すべき配慮を決定するための科学的根拠や決定過程が明確ではなく、実務上の制約のため必要な配慮が十分に提供されていない等の問題がある。そこで、本研究では、以下の研究を実施した。 (1)ニーズ・配慮実態調査:ニーズと配慮の乖離、実施主体による配慮の矛盾、配慮の決定方法の科学性に対する疑問等、現行の配慮の問題点を明らかにするための参照基準を設定するために、欧米の試験の実施主体ごとの現行の配慮実態、問題冊子の作成方法等を調査した。 (2)行動評価を用いた配慮アセスメント:単純にページを操作するタスクを課した際のタスク達成時間を問題の拡大率を独立変数として比較する実験を実施した。また、難易度および拡大率を操作して、ページ操作回数と読み時間を従属変数とした実験を実施した。 (3)新テストにも対応可能なCATシステムの試作:試験問題への変更は極力加えずに、視覚障害者のアクセシビリティを確保したCATシステムの第2次試作を行った。この第2次試作アプリを200校に在籍する463人に提供した上で、アンケート調査を実施した。また、ウインドウズ版の試作にも着手した。 (4)配慮ガイドラインの試作:大学入学共通テストを含む国家試験や英語4技能試験等の配慮の提供状況等について調査を行うとともに、諸外国のテストの配慮の実際とガイドライン等について系統的な文献調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、ニーズ・配慮実態調査として、欧米の試験の実施主体ごとの現行の配慮実態を訪問調査する予定であったが、COVID-19の影響で欧米への訪問ができなかった。また、 配慮ガイドラインを試作するために、拡大問題等を提供している機関の作成方針について訪問調査を行う予定であったが、COVID-19の影響で訪問ができなかった。これらCOVID-19の影響で、訪問調査が実施できなかったため、研究がやや遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響で、国内外への訪問調査が困難になったため、ニーズ・配慮実態調査や配慮ガイドラインの試作を行うための調査の実施が困難になった。また、教育活動の多くが遠隔で実施されることになり、試験のあり方が大きく変容してきた。今後もCOVID-19の影響は継続する可能性が強いため、研究計画を一部、変更し、遠隔における試験及びCATシステムの構築に重点化して研究を推進するという対応策を講じる予定である。
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Research Products
(37 results)