2022 Fiscal Year Annual Research Report
Physics of Spin-triplet superconductivity
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19H00657
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鄭 国慶 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50231444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
俣野 和明 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (70630945)
川崎 慎司 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (80397645)
市岡 優典 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (90304295)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スピン三重項超伝導 / トポロジカル量子現象 / 核磁気共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の成果を得た。 (1)強相関電子系スピン三重項超伝導体K2Cr3As3の高品質単結晶を改良したフラックス法で作製した。核スピンと電子スピン間に働く超微細相互作用の決定に成功し、各結晶軸方向のスピン磁化率を測定した。 (2)カゴメ構造をもつ超伝導体CsV3Sb5における電荷密度波の圧力変化を調べ、高圧下では、電荷密度波構造がダビット星型と逆ダビット星型がc軸方向に積層することを発見した。また、常圧下では格子整合型であるが、高圧下では格子非整合型に変化することを見出した。さらに、0.8GPa~1.2GPaの圧力範囲では格子整合型と格子非整合型構造が共存し、この減少は超伝導転移温度が一旦降下する原因であることを突き止めた。 (3)2.1GPa付近でCsV3Sb5の超伝導転移温度が最大値を迎えるが、その増大は電荷密度ゆらぎによる可能性を指摘した。 (4)スピン三重項超伝導体CuxBi2Se3において、磁場によってベクトル秩序変数を制御することに成功した。低磁場では六方晶面内の上部臨界磁場が2回対称性を示し、異方的なネマチック状態にあるが、高磁場では上部臨界磁場が6回対称性を示すことを発見した。6回対称性は通常のBCS超伝導体(一成分超伝導)では禁止されているので、この結果はCuxBi2Se3の秩序変数が2成分からなることを意味し、スピン対称性を明らかにしたNMRの結果と相補的である。特に、CuxBi2Se3におけるスピン三重項超伝導の軌道波動関数の性質を明らかにした意義は大きい。 (5)空間反転対称の破れたハーフホイスラー化合物YPtBiにおいて、反強磁性ゆらぎの存在を明らかにした。5d電子系でバンド幅が広い物質では強い電子相関の出現は通常予想されないため、スピン軌道相互作用と電子相互作用を研究する新しい舞台として注目される。また、スピン三重項超伝導成分が大きいことを見出した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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