2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of the origin of Big Bang - CMB observastion using the largest telescope array and cutting-edge superconducting technologies
Project/Area Number |
19H00674
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日下 暁人 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20785703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 雄基 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (50780847)
片山 伸彦 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (50290854)
木内 健司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00791071)
茅根 裕司 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員准科学研究員 (90649675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宇宙マイクロ波背景放 / インフレーション / 超伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ビッグバンの起源として有力とされる初期宇宙インフレーションを探るべく、史上最大の宇宙マイクロ波背景放射観測用望遠鏡群となるSimons Observatory実験を遂行している。本研究においては、この実験でインフレーションの信号が現れるとされる大きな角度スケール(2~10度)での測定精度を大幅に改善する「連続回転式低温半波長板」を中心とした研究開発を行う。具体的には、Simons Observatoryによるインフレーション探索の成否を決める低温半波長板システムを作成し、また半波長板システムに焦点を当ててデータ解析を行い、解析手法を確立する。初年度においては、半波長板システム1号機を完成させ、評価を進めた。超伝導浮遊式ベアリングを用いた回転機構における摩擦やノイズ源となる磁場について、設計通りの性能が達成されたことを確認した。この一号機について、Simons Observatoryにおける一台目望遠鏡への統合作業を開始し、統合されたシステムにおいても主要な性能測定と実証を概ね完了した。迷光を防ぐなどの光学設計も進め、半波長板光学素子であるサファイアの組み込みについても設計と作成を進めた。このサファイアに施す防反射加工に関しても、研究開発を進めている。また、2号機以降の作成への準備を進めており、特にそれに用いるクライオスタットの作成も当初の計画以上に進展した。データ解析への準備も進め、一号機からの試験データの解析をすぐに始められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画として、Simons Observatoryのための半波長板システム一台目を完成、望遠鏡の統合、データ解析の準備を行うとしていた。これらに関しては全て順調に進捗している。一部作成を進めるとしていた、2台目以降の半波長板システム作成のためのクライオスタットについては、70%程度作成が完了しており、当初の計画以上の進展が見られた。また、当初の計画には含まれなかった半波長板光学素子であるサファイアの防反射加工の研究開発の必要が生じたためそれを開始し、既に大きな進捗が見られた。以上から、当初の計画以上の進展を達成したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目においては、以下の研究を行う。まず、1台目からの試験データの取得を進め、その解析から2台目以降の改善点を必要に応じて検討する。クライオスタットを完成させ、2台目・3台目の作成を開始する。また、サファイアへの防反射加工の研究開発を進める。
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