2019 Fiscal Year Annual Research Report
Age determination of the geomagnetic reversals for the last 4 million years ago, and evaluation for its effect on biota and climate
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19H00710
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡田 誠 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (00250978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 悠介 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (70431898)
堀江 憲路 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (00571093)
亀尾 浩司 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (00312968)
林 広樹 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (80399360)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 松山ーブルン地磁気逆転 / 房総半島 / 千葉複合セクション / 古地磁気 / 古海洋学 / 有孔虫化石 / 酸素同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究が目的とする房総半島に分布する海成層から地磁気逆転の様子を詳細に復元し、その前後で起こった環境変動の様子を詳細に復元することに関して、研究初年度は以下の成果を得た。 1)堆積速度が速く安定した古地磁気シグナルを持ち、環境指標となる微化石産出が良好な房総半島中央部の千葉複合セクションに分布する海成層を用いることで、松山-ブルン地磁気逆転境界における地磁気変動をこれまでにない時間解像度で明らかにすることに成功した。地層が記録する地磁気方位の分析を行い、当時の地磁気極の緯度と、地磁気双極子の強さ(磁場の強さを表す)を極めて高い時間解像度で示した( Simon et al., 2019)。 2)上記と同じ千葉複合セクションより得られた、生息水深の異なる4種類の有孔虫化石を用いて、30年から540年間の時間分解能で酸素同位体比分析を行った(Haneda et al., 2020)。この結果、千葉複合セクションの周辺海域では、79万2千年前から78万6千年前の寒冷期(氷期)から温暖期(間氷期)への気候変遷期と、77万4千年前から75万6千年前の温暖期から寒冷期への気候変遷期に、約3千年から6千年の時間スケールで繰り返される極端な水温の変化があったことが明らかになった。この結果は、北大西洋で起こる海洋変化が、遠く離れた北西太平洋の海洋環境を大きく変化させる可能性を示しており、太平洋における今後の古気候・古海洋分析に関わる研究に対して大きな影響を与えると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
松山-ブルン逆転境界に関しては、目的とする地磁気逆転の様子や、当時の環境変動の詳細な解析など、2つの国際誌に成果発表をすることができた。これは当初の計画を上回る成果である。当初計画では松山ーブルン地磁気境界以外の逆転境界についてもデータ取得を行う予定であったが、これらについては、一部が論文投稿中、その他は学会発表の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、オルドバイ正磁極亜期の上下境界、リユニオン正磁極亜期の上下境界の4境界における詳細な地磁気逆転記録の取得が進行中である。これらの内、オルドバイ下限境界とリユニオン上下境界の磁場変動記録については、現在論文投稿中である。今後は、それらの時代における酸素同位体層序の構築をおこなう事で、年代スケールを確立する。さらに、オルドバイ上限境界に関するデータの論文化を進め、ガウス正磁極期中にある2つの逆磁極亜期に関わる逆転境界についても研究を進める予定である。
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Research Products
(16 results)