2019 Fiscal Year Annual Research Report
生命の生存限界を探る:海底下高温高圧環境での活動的生命圏の限界と生き残り戦略
Project/Area Number |
19H00730
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
諸野 祐樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (30421845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井尻 暁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (70374212)
伊藤 元雄 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), グループリーダー代理 (40606109)
伊藤 民武 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (00351742)
阪口 昌彦 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (70749001)
星野 辰彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (30386619)
山村 雅幸 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (00220442)
若松 泰介 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 准教授 (60597938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 海底下生命圏 / 極限環境 / 生命存続限界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生命の存続に必須である「栄養供給」と均衡する生命活動を明らかにするため、海底下地層環境を題材として、そこで連続的、経時的に変化する温度・圧力条件と生命およびその存続について観察することを目的としている。この観察により、地球内部での生命圏限界、または限界をもたらす物理化学的、生理学的因子を解明し、さらに限界生命圏の姿、生命の適応メカニズム、進化学的な議論を展開することを期待している。 本課題では、国際深海科学掘削計画(IODP)におけるグアイマス海盆掘削航海において、高温の熱水が循環し、有機物の現場分解による炭化水素の供給も活発な生命圏から得られた試料において、高感度の生命検出など、第一次分析を実施した。しかし、掘削航海で取得した試料を船上で分析したところ、当初の予想よりも微生物細胞の数が少ないことが判明したため、期間を延長して生命検出実験を慎重に行い、全体のプロファイルを得ることに成功した。 また、地層試料を現場温度・圧力等、様々な条件で培養する高温高圧培養装置について、メタン菌や硫酸還元菌など、高温高圧環境から取得された培養株を用いた試験を実施、常圧環境での培養との挙動の違いなどについての解析を実施した。培養株を用いた高温高圧培養を実施したところ、高圧をかけると常圧で実施したこれまでの取得データと異なる培養特性を示し、増殖が見られるまでに数か月間かかることもあったが、最終的に高圧環境での増殖を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞検出に問題を抱えていたが、慎重に分析を進めて全体のプロファイルを得ることが出来ている。また、高圧培養に関しては、常温培養で得られていた培養特性と大きく異なる状況が見られていたが、培養を粘り強く継続することで増殖を確認することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
予想外のことも起ってはいるが、適宜リカバーしながら研究を進行させることが出来ている。計画に変更を施しながら今後も計画をしっかりと進めていきたい。
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[Journal Article] Deep microbial proliferation at the basalt interface in 33.5-104 million-year-old oceanic crust2020
Author(s)
Suzuki, Y., S. Yamashita, M. Kouduka, Y. Ao, H. Mukai, S. Mitsunobu, H. Kagi, S. D'Hondt, F. Inagaki, Y. Morono, T. Hoshino, N. Tomioka and M. Ito
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 3
Pages: 9
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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