2022 Fiscal Year Annual Research Report
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19H00747
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義暢 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40377809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 量子乱流 / 乱流普遍則 / 高レイノルズ数乱流 / 壁乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子乱流は絶対温度2.17K以下で存在する液体ヘリウムの乱流であり、粘性を持つ常流動ヘリウムHeⅠと粘性を持たない超流動ヘリウムHeⅡが混在した状態である。HeⅡには量子渦が発生して、複雑に絡み合うタングルを形成し、HeⅠの粘性抵抗によって移流される。近年の数値計算では、量子乱流場において、水や空気などの流れ(古典乱流)と同一の普遍則が観測されている。一様等方場のKolmogorovの-5/3乗則と壁乱流の対数速度分布である。本研究では、固体水素を微粒子化して量子渦を可視化するとともに、粒子径ごとのラグランジュ軌道を計測し、その統計的性質を調査した。また、ダクト内の平均速度分布を計測することで、非一様な壁乱流場における微粒子の移動と量子渦との関係について考察した。 量子乱流場での微粒子軌道は、量子渦との干渉により複雑となる。その定量化にハースト指数を用いることを初めて用い、ハースト指数の変化から量子渦間距離を見積もる手法を提案した。粒子軌道の曲率による条件付けから、量子渦に補足された粒子を識別できること、軌道に沿う曲率の確率分布はべき乗則を示すことを明らかにした。そのベキ指数は-2.5となり、古典乱流場での曲率分布と類似する。 三次元流動場の可視化システムを構築することで、HeⅠとHeⅡが混在した流動場での速度勾配テンソルの算出をλ点近傍でおこなった。速度勾配テンソルの固有値から抽出される古典的渦構造は、可視化された量子渦とは必ずしも一致しないが、両者は密接に関連し存在することがわかった。三次元空間での挙動をより詳しく調べる必要性をあらためて認識した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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