2020 Fiscal Year Annual Research Report
電子工学的時間ジッタ限界領域光サンプリングのショット雑音レベル信号高品質化
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19H00766
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小西 毅 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90283720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 智 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所フォトニックネットワークシステム研究室, 主任研究員 (10533440)
植之原 裕行 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20334526)
西澤 典彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30273288)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超高速信号処理 / アナログ/デジタル変換 / 光信号処理 / 光サンプリング / 光アナログデジタル変換 / 雑音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,サブピコ秒以下の時間ジッタでの光サンプリングにおける信号品質の高性能化を目指して、ソリトンスクイージングのアプローチによる強度ジッタ抑制の効果の検討準備を進めた。具体的には,①光サンプリング信号の位相・振幅同時評価システムの構築,②ショット雑音以下の安定な光ソリトン発生系の構築,③シリコン細線導波路による超安定化の可能性検討,④構築したアナログデジタル変換(光サンプリング処理系)の信号品質の検証をそれぞれ行った。 ①光サンプリング信号の位相・振幅同時評価システムの構築については、昨年度構築を試みた光サンプリング信号のコヒーレント受信が可能な信号評価システムについて、時間ジッタおよび強度ジッタに関係する位相および振幅雑音を同時に測定可能なコンスタレーション表示を用いた光サンプリング信号のスクイージングに関する詳細な状態解析を試みた.光パルスの各スペクトル成分ごとのコンステレーションと光パルス全体のコンステレーションの関係を検討し、その結果を論文にまとめた。 ②ショット雑音以下の安定な光ソリトン発生系の構築については、数十MHz程度の低繰り返しでの基礎実験によるショット雑音以下でのスクイージング効果を確認できたことから、低繰り返し光源への対応が難しいコンステレーション表示を用いた光サンプリング信号の評価については、高繰り返しの光源への移行時への導入とした.一部物品の納品が遅れたために自由度の高い制御による検討については、繰越すこととしたが,本取り組みの理論的な内容についての国際会議の招待講演を行った. ③シリコン細線導波路による超安定化の可能性検討については、上記の構築した安定な光ソリトン発生系について,シリコン細線導波路を用いて非線形光学効果の誘引を試み、自己位相変調の発生を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大の影響(緊急事態宣言の発令)により、研究活動を3か月程度休止せざる負えない状況となり、研究活動自体の遅れに加え、一部物品の購入検討および手配への遅れが生じたために進捗状況の評価として「やや遅れている」とした。これに伴い、理由書を提出することにより、一部計画変更を行い予算の繰越を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の一部変更を行った計画に沿って、当初の目標が達成できるように研究を進める。 具体的には、①光サンプリング信号の位相・振幅同時評価システムの構築については、昨年度、その評価原理を確認した光サンプリング信号のコヒーレント受信が可能な信号評価システムを用いて、高繰り返し光源に対して時間ジッタおよび強度ジッタに関係する位相および振幅雑音を同時に測定可能なコンスタレーション表示を用いた光サンプリング信号のスクイージングに関する詳細な状態解析を通して、理論検討との整合性を検討を更に進める. ②ショット雑音以下の安定な光ソリトン発生系の構築については、コンスタレーション表示が可能な信号評価システムにより光ソリトン発生系の詳細な状態解析と調整を行い,高い繰り返しでの実験によるショット雑音以下でのスクイージング効果の実現をもとにアナログ-デジタル変換システムの“光化”による性能向上を明らかにすることを目指す. ③シリコン細線導波路による超安定化の可能性検討については、上記の構築した安定な光ソリトン発生系について,昨年度試作した非常に高い非線形光学特性を持つ事が期待されるシリコン細線導波路を用いて、引き続き、その利用可能性の検討を試みる.
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