2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of automotive thermoelectric waste heat recovery system integration using evolved environmentally benign material of magnesium silicide
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19H00772
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
飯田 努 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 教授 (20297625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻原 寛之 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (50709615)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱電変換 / マグネシウムシリサイド / DC-DCコンバータ / 窒化ガリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本開発研究は「車載用小型熱発電システム」の基礎要素技術開発であり、(1) 熱伝導を可変できる熱伝達制御型基板構造導入によるMg2Si熱電池発電能力向上、および(2) 熱発電専用高昇圧DC-DCコンバータ開発を実施した。 Mg2Si熱電池発電能力向上では、Mg2Si原料の溶融合成プロセス中にC・Sb・Znの3種類の添加不純物をそれぞれ0.1at%から1.0at%の範囲で調合し、熱電気的特性を調整する不純物調合としてC+Sb、C+Sb+Znによる原料合成と発電素子化を行い、基礎伝熱特性を把握した。熱伝達制御型基板開発では、基板の熱伝導特性に整合させるMg2Si原料の熱伝導可変を行った。 熱電池の接続に特化した電力変換回路では、2019年度にインターリーブ方式の高昇圧型DC-DCコンバータを提案し、高温動作可能で低オン抵抗のガリウムナイトライド(GaN)スイッチングデバイスを用いた回路の基本動作検証を行った。 本年度は、昨年度に実装した回路の高出力化に着手した。具体的には、熱電池を接続した電力変換回路の回路シミュレータを構築し、回路動作検証環境を強化した。次に、各回路部品に対する電流・電圧波形を可視化し、回路部品見直しおよび最適化設計を行なった。続いて、回路設計ソフトを用いて高昇圧型電力変換回路を再設計し、本年度購入したインピーダンスアナライザーおよび現有基板加工機を用いて回路実装を行った。最後に、熱電池の出力特性を模擬電源で再現し、動作検証した。本回路は、電流および電圧センサを用いて熱電池(模擬電源)の出力電力をセンシングし、車載用マイクロコンピュータを用いて最大出力電力点を追従する仕様である。電子負荷を用いて48Vバッテリを模擬し、200W(昨年度100W程度)の入出力電力で実験を行い、電力変換効率および電力利用率が共に90%(昨年度85%)以上となることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Mg2Si熱電池発電能力向上では、C・Sb・Znの3種類の添加不純物で熱伝導率および発電量(パワーファクタ)の可変が実現でき基板の熱伝導特性に整合させるMg2Si原料の作製目処が得られた。熱伝達制御型基板構造に関する開発内容では、昨年度に引き続き、熱電発電特性評価高精度シミュレーションコードの精査・改良を実施し、シミュレーションによる発電特性・熱流量による損失の評価、熱伝達制御型基板の基礎設計および第2次の基板試作を実施した。 熱電池の接続に特化した電力変換回路では、本年度の目標は、2019年度の実装回路と比較して回路性能を向上させることであった。回路シミュレータおよびインピーダンスアナライザーの導入により、回路部品の見直しおよび最適化設計を行い、回路実験において、電力変換効率および電力利用率が共に90%以上(2019年度は85% / 最終目標値は95%)となることを確認した。また、電力変換回路の入出力電力についても200W(前年度は100W)を達成し、前年度と比較して高出力化を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
可変熱伝導管方式熱接合機構の開発について、可変コンダクタンスヒートパイプ(VCHP)による導熱機構の開発を推進する。 熱電池の接続に特化した電力変換回路では、これまでの研究取組により、実験環境の構築および高昇圧型DC-DCコンバータの基本回路動作検証は完了した。今後は、電力変換効率および電力利用率の観点から最終目標値(電力変換効率および電力利用率95%以上)の達成を目指す。具体的には、回路の制御方式の改善および回路設計の更なる見直しを行う。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Investigation of local structures and electronic states of Sb-doped Mg2Si by fluorescence XAFS and HAXPES2020
Author(s)
T. Kadono, N. Hirayama, T. Nishio, S. Yamazawa, N. Oki, Y. Takahashi, N. Takikawa, A. Yasui, K. Nitta, O. Sekizawa, M. Tokumura, S. Takemoto, T. Iida, and M. Kotsugi
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Journal Title
Applied Physics Letters
Volume: 117
Pages: 143901-1~5
DOI
Peer Reviewed
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