2019 Fiscal Year Annual Research Report
河川堤防のパイピングメカニズム解明と維持管理法のパラダイムシフトに向けた研究
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19H00786
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡村 未対 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (50251624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 典洋 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10260530)
前田 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50271648)
全 邦釘 東京大学, 工学系研究科, 准教授 (60605955)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 河川堤防 / パイピング / 高水 / 模型実験 / 相似則 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究で,以下のことを実施し,ほぼ期待通りの成果を上げた。 ■パイプ内の水の流れとそれによるパイプ孔壁の侵食とパイプ内土砂運搬の現象を解明するため,高速度カメラでパイプ内を観測し,さらに3次元浸透流解析を行った。実験は40gの遠心加速度場及び重力場で行い,粒径や模型サイズを変えた実験を組み合わせ,来年度の相似則の検討に向けたデータも蓄積した。 ■堤体表面形状からパイピング部を高速自動探査する方法の開発:高水により噴砂が発生した堤防の堤体表面形状をUAVからの写真撮影とSfMで構築したDEMにより詳細に測定する。地表面変位分布からパイピングの位置,規模を推定し,現場での噴砂状況(位置,噴砂ボリューム)と比較することを近年噴砂が発生した那賀川,肱川,重信川堤防について行い,地表面の変位分布からパイピング部の推定をする方法の構築に資する成果を得た。 において実施する ■パイピング部を特定するための原位置地盤調査法の開発:実地盤におけるパイピング部やそれによる地盤のゆるみ領域の厚さは1cm~10cm程度と薄く,面的にも幅は数十cm程度と狭く,そこでの土の強度はほぼゼロである。このような箇所を直接的に検出するために,貫入装置の直径が約2cmと小さく,貫入ロッド周面摩擦の影響を排除するため,先端に高感度ロードセルを取り付け,さらにレキ当たりなどで簡単に壊れない強靭性を有する試験機を開発した。多数の貫入を行うため,バイブロ貫入機を用い2~3人作業で40箇所/日の試験法を開発し,2カ所のパイピング発生現場にて試験を実施し適用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究は,ほぼ予定通り実施し,期待していた成果が得られた。また,2020年度の詳細研究計画策定のために必要なデータも取得でき,順調に2020年度の研究が開始できる見込みがたった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,当初の計画通り,模型実験の継続的な実施,データの解析と3次元浸透流解析の実施,これらをベースにした相似則の検討,現場での表面形状測定とその自動解析方法の検討を実施する予定である。共同研究者とも十分に打ち合わせを行っており,特に問題は見当たらない。
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