2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the change of structural property of RC building due to drying
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19H00791
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
勅使川原 正臣 中部大学, 工学部, 教授 (50344007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40363030)
浅井 竜也 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (90815846)
日比野 陽 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50456703)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 建築物 / 鉄筋コンクリート / 乾燥 / 力学特性 / 連層耐震壁 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾燥の有無をパラメータとした静的載荷実験に用いる大規模骨組み試験体のうち,本年度は,昨年度に実験を実施した非乾燥試験体の実験結果の分析を行うとともに,既に製作を行った乾燥試験体の状態変化計測を開始した。さらに,乾燥から載荷までの一連の数値解析について部材レベルで実施した。 1.非乾燥試験体の静的載荷実験結果の分析:実験で得られた試験体の水平力-水平変形関係においては,設計において一般に用いられるフレーム解析結果と比べると,初期剛性および降伏時変形は小さく,また降伏時耐力は大きい結果となった。これは,既存の耐震壁の曲げモーメントに対するモデル化精度に因るところが大きいと考えられる。同モデルは,コンクリートおよび鉄筋を多数の鉛直ばねによりモデル化し,そのばねの長さが経験的回帰式により定められているが,その工学的メカニズムは十分明らかにされていない。そこで今年度は,耐震壁の詳細計測結果に基づいて曲げ変形,せん断変形,定着部変形の3変形成分に分離することで,それぞれの変形を説明可能なマクロモデル構築に向けたデータを得た。 2.乾燥試験体の状態変化の計測:製作が完了した乾燥試験体について,その状態変化データ(歪分布,変形分布,内部応力)の取得を開始し,また,約3か月間の湿潤養生後に脱型し,常時微動計測による経年の振動特性変化のデータ取得も開始した。乾燥に伴い変化する各データが順調に計測されている。 3.乾燥過程を含めた数値解析:コンクリート内部の水分移動を考慮することでコンクリートの乾燥に伴う内部応力・ひび割れを表現した数値解析について,まずは床組みを対象に実施し,さらに載荷解析まで行うことで,同解析モデルが実験結果を精度良く再現することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに実施完了を予定していた,1.非乾燥試験体の計画・製作・載荷実験実施,2.乾燥試験体の製作・脱型・乾燥過程計測の開始,3.乾燥を考慮した部材レベルでの数値解析モデルの作成・実験結果との比較に基づくその妥当性確認,のいずれも完了しているため,研究課題は計画どおり順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,1.非乾燥試験体の載荷実験結果の詳細分析に基づき耐震壁の降伏変形評価精度の向上に資する知見を得ること,2.乾燥試験体の乾燥過程計測データに基づき乾燥が生じさせる変形および内部応力を架構レベルにおいて把握すること,3.乾燥試験体の載荷実験結果と非乾燥試験体の実験結果を比較することで乾燥による初期剛性および降伏点の変化に関する定量的データを得るとともにそのメカニズムを明らかにすること,4.乾燥が架構の力学特性に与える影響をパラメトリックに分析し既存の設計法で見逃している架構の危険な挙動を把握すること,を実施する予定である。
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