2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H00796
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
土岐 謙次 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (20423783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 充弘 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (00466989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 漆 / 乾漆 / プロダクトデザイン / デジタルファブリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【乾漆の表面品質向上】これまでの研究では光沢のあるPVC素材を型に用いることで、離型時点で非常に平滑かつ高光沢な乾漆を得ることを可能にしたが、漆の経時的・漸進的な硬化に伴う収縮により、漆で積層した織布の織り目模様が乾漆表面に徐々に表出してくることが課題であった。これに対し、積層織布の番手、素材、積層順序および、層間処理を最適化することにより、経時的な表面劣化を軽減することが出来た。これにより、例えばクレジットカード様の製品を乾漆で製作する場合の表面装飾や印刷品質の向上が期待される。【特許出願】これまでの研究ではクレジットカード様のプラスチックカードの強度や柔軟性などの素材的特性に類似した乾漆シートを制作する手法を獲得しているが、これに非接触の電子的通信機能を持たせた薄板状の乾漆の制作方法を特許出願した。【漆接着による合板を用いた椅子の制作】一般に合板には合成樹脂系の接着剤が用いられるが、比重が大きく、これが合板重量を重くしている。古来、漆は小麦粉等との混練により木材を強力に接着にすることが知られている。また漆は合成樹脂に比べて硬化後の比重が小さい。漆を接着剤として桧の薄板を積層造形することで軽量で高強度な椅子を試作し、その実用強度を確かめた。【ロボットアームによる漆掻き】「漆掻き」の職人技術を6軸のロボットアーム制御により再現的に動作させることを達成した。漆の実木を3Dスキャンし、その表面に沿って伝統的形状の専用刃物を移動させるプログラムを完成させた。現状では刃物に負荷を加えて実際に漆を漏出させるに至っていないが、これまで機械化に一切取り組まれてこなかったこの分野に対して一つの可能性のモデルを示した。【研究展示】11月六本木ヒルズカフェ・スペースで開催されたKOGEI Next展に研究成果として乾漆製の椅子、テーブル、試作合板等を展示した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)