2021 Fiscal Year Annual Research Report
地震・波浪影響を高精度予知可能な繰返し予歪損傷考慮型CTOD破壊評価標準法の創成
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19H00802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川畑 友弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50746815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 欣希 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40397758)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脆性亀裂発生 / CTOD / 繰り返し載荷 / 材料損傷 / 結晶塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一の目的は、溶接継手部における限界CTOD値を正確に把握するための試験片作製標準条件を明らかにし、真に評価者に依らない客観的な評価手法を提 供することである。本研究の第二の目的は波浪や地震を受けた構造物の評価を考慮し、正負交番負荷による材料損傷を高精度予測し、CTODパラメータによる破壊 アセスメントに組み合わせる方法を構築することである。この二つの目的達成に共通するコア技術として「ランダムな塑性変形後の結晶粒内損傷分布を定量把握 するためのメゾスケール数値モデル開発」を実施する。2021年度はコロナ禍により推進に苦慮した面もあるが、以下の研究実績を得ている。 ①継手CTOD評価高精度化:予歪後の破壊靭性を評価する上で重要なローカルクライテリオンとしてワイブル応力が有効であることが判っているがオリジナルBEREMINモデルではなく、塑性歪によりマイクロクラックの生成が促進される修正ワイブル応力クライテリオンを提案した。このクライテリオンは予歪有無を問わず有効であることも確認し、雑誌論文に投稿を行った。 ②正負交番予ひずみによる材料損傷の高精度把握:SEM内引張載荷時に逐次EBSD観察を行うことにより損傷の進展を観察する試験を初めて実施できた。通常の単軸試験のみならず恐らく初めてと思われるがSEM内で十字引張試験を行うことにも成功した。今後はさらに繰り返し数や形状パターンを増やして損傷と応力場の関係性などを評価していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in-situ試験を柏キャンパスで実施する予定であったが、コロナ禍や試験機のトラブルにより学生の出張などが思うように進まず、計画していた試験を全て実施することが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は継手CTOD試験における良好プラテン条件を数理的手法を用いて最適化する。さらに高応力多軸度の元で塑性歪を付与した場合の損傷蓄積についての考察を充実させ、本研究全体の目的を果たすことを指向していく。
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