2019 Fiscal Year Annual Research Report
Materials design via atomic resolution vibrational analysis
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19H00818
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
溝口 照康 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70422334)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池野 豪一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30584833)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 格子振動 / 分子振動 / ELNES / XANES / 第一原理計算 / 材料開発 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
最新の計測法でも未だ明らかにできない情報が存在している．それが固体・液体・気体を構成する原子や分子の局所的な“振動”に関する情報である．これまでに申請グループは走査透過型電子顕微鏡(STEM)により測定される電子分光（EELS）と高度なスペクトル計算を融合することで，固体，液体，気体を構成する原子・分子の振動を検出する手法を報告してきた．本研究は，高いレベルにあるSTEM-EELS計測，高精度EELS計算，さらに高速界面・表面モデリングを高度に融合することで局所的な振動を計測する手法を確立し，材料開発に活用する．
令和元年度においては，振動効果を考慮した二粒子計算を系統的に実施し，どれくらい正確に振動を定量化できるのかを調べた．物質としてh-BNなどの層状化合物を選択し，計算と過去に報告された実験スペクトルとの比較により，振動効果を調べた．その結果，振動効果を加味しなければスペクトルを再現することができず，振動効果を定量的に解析することが，スペクトルの解釈においても不可欠であることが明らかとなった．さらに，計算される様々なスペクトルを高精度かつ高速に解析することを目的として，機械学習を利用したスペクトル解析法の開発も行った．これまでに同様な手法を開発しており，本申請課題において同手法の改良に取り組んだ．その結果，研究者が実際に行う手法を模したスペクトル解析法を開発することに成功した．
多電子計算に関しては高精度EELS計算に向けた新規アルゴリズム，シードスイッチ付き RSCG-SS法の開発を行った．この開発により，遷移の始状態の波動関数のみから内殻励起スペクトルを効率的かつ数値的に安定に求めることができる．特にスペクトル計算の高速化，および大規模ハミルトニアンに対する計算が可能となることから複雑な系に対するスペクトルの高精度計算へと応用が期待される．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度においては，様々な計算手法によって振動効果を調べるとともに，その効果を抽出するための手法の開発を行う予定であった．実際に，初年度においてはそれらの調査や手法開発が進んでおり，すでに学術論文もpublishされつつあることから，「順調に進展している」と結論付けることができる．
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は，引き続き振動効果を加味した一粒子・二粒子・多粒子計算を推進する．振動・温度計測法の基盤技術を構築するために，温度や雰囲気制御可能なTEMホルダーを使用する．すでに導入している装置もしくはナノテクプラットフォームなどで公開されている設備を効果的に利用する．また，モノクロメーターを備えた共同利用設備により，振動マッピングの測定も実施する予定である．
また，多原子スペクトルの計算については，原子振動が電子状態、およびスペクトルに与える影響を定量的に計算する手法の開発を進める．具体的には配位座標モデルを適用して配位空間における基底状態・励起状態のエネルギー曲線を算出し，原子振動によるエネルギーシフトやピーク幅の変化について，定量的に評価する手法を確立する．
一方で，新型コロナウィルスの感染拡大の影響により実験系の研究が全く実施できない可能性もある．その際は，スペクトルを高速かつ高精度に解釈する手法の開発を前倒しで行う予定である．
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Research Products
(21 results)
