2019 Fiscal Year Annual Research Report
Properties of steps as key factors to control the interface during crystal growth ; its measurement and thermodynamic model
Project/Area Number |
19H00820
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 健 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90435933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 咲子 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80726985)
三谷 武志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90586306)
竹島 由里子 東京工科大学, メディア学部, 教授 (20313398)
柴田 千尋 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 講師 (00633299)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高温溶液成長 / 界面その場観察 / ステップエネルギー / カイネティクス係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は主に、ステップの物性の計測に必要な、これまで未踏の高温界面の1nm級のステップの挙動の観測手法の確立を目指した。 ①試料形状および加熱条件の調整によるらせん成長条件の検討 溶液の幅、厚みの調整による温度差ならびに溶液流動を変化させた際の種結晶基板下のSiCの成長挙動の観察を行った。COMSOL Multiphysicsを用いた熱流体シミュレーションにより溶液内の対流が抑制される、厚みを1mm以下とした条件において、比較的安定してらせん成長領域が観察される傾向が得られており、試料系の調整を概ね完了した。一方で、対流のない条件においては、成長界面近傍における実効的な過飽和度の把握の必要性が生じ、物質輸送論を基礎とした結晶成長モデルの検討を新たに開始した。 ② 光学系の調整による厚み方向分解能向上 nmオーダーの高さのステップを光学顕微鏡で捉え、ステップの高感度観察を達成するために、照射レーザー光の偏光制御を試みたが、コントラストの大きな改善が得られなかった。一方で、波長選択による観察の検討を進める中で、観察に用いているCCDカメラのRGB検出器の複数波長帯の観察強度を用いることで、ステップの鮮明化の傾向があることを発見した。また本手法で簡易的な画像処理を行うことでコントラストに変化を与えることが分かったことから、今後高度な画像処理を用い、ステップの高コントラスト化による高感度観察を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
常温での微分顕微鏡観察による経験をもとに、光源ならびに光路調整を主として高コントラスト化を目指したが、大きな改善が得られず、他法の検討の着手に遅れたことが主な遅れの原因であり、共同研究者らの実際の取得画像を用いた情報学的処理の検討の遅れも引き起こした。ただその検討の過程で、当初予定した多波長利用に類似した新たな観察手法の可能性を見出し、引き続き観察手法の高度化に鋭意取り組む。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により、試料系調整による成長条件の調整と、新たな観察手法の双方で一定の成果が得られた。情報学的処理を、主として画像処理へのの利用を予定してきたところ、実験・観察条件の最適化にも適用して、研究を推進する。 さらに新たに追加した共同研究者と協力して、液膜を介した物質移動ー反応律速における結晶成長モデルを検討し、ステップエネルギーを導く基礎式を早期に導出するよう努める。
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