2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H00835
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徐 超男 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 総括研究主幹 (70235810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 瑞平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00358392)
西堀 麻衣子 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (20462848)
鄭 旭光 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40236063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 応力発光 / 圧電 / マルチピエゾ / センサ / アクチェーター / 構造物診断 / ロボティクス / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は申請者が新規に見出したLNO:Pr(LixNbO3:Pr)にフォーカスし、LNO 系材料を通じて高感度高効率応力弾性発光と圧電性両方を同時に有するマルチピエゾ機能解明を目的に、材料合成、構造解析、機能評価を進めた。また比較検証として、CaZnOS, SrAl2O4、Sr3Sn2O7系の検討を行っている。 まずはマルチピエゾ原理の解明を達成するために、非化学量論比と発光中心ドープ等により構造設計された結晶体、セラミックスバルク体、有機無機複合材料体をそれぞれ合成し、チーム内で共有し、構造解析と機能評価を進めた。 マルチピエゾ材料(LNO)について、非化学量論と元素置換による結晶制御と機能向上のアプローチした結果、Naを置換することにより、3つの結晶相が確認され、菱面体晶Na-R3cで強い応力発光を示すことが分かった。さらに、合成プロセス高度制御・非化学量論により、菱面体晶Na-R3cと斜方晶P21maの相境界付近では、応力発光強度が飛躍的に増強されることを突き止めた。多相境界での応力発光は非化学量論のLNOよりも10倍以上向上され、赤色発光は肉眼で簡単に確認できる。これらの発光は、通常の欠陥レベルにトラップされた電子を放出によるものだけでなく、構造相転移によって光を放出する新しいメカニズムの可能性が示唆された。同時に、圧電効果(圧電定数d33)は、応力発光強度と同様の傾向を示し、多相境界での圧電定数も10倍以上の向上が得られた。応力発光と圧電は相関性があることが実証された。これらの結果に基づき、結晶構造を制御することにより、マルチピエゾ機能を向上させることに成功し、今後は応力発光と圧電の相乗効果を明らかにするための有用なデータを取得できた。 研究発表では、MRS Best Poster Award、土木学会優秀講演賞、電子材料部会研究優秀賞、等の学会表彰を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成装置と評価装置の修理と更新に時間が要したが、関係者の連携協力により、多相境界制御による飛躍向上効果を見出すことに成功し、マルチピエゾ機能発現の機構解明に新規に多相境界で飛躍的に向上の成果が得られたこと、今後の進め方針が新たに得られたこと、学会発表・論文発表・特許出願等の成果発表を行ったこと、また学会発表で研究優秀賞が表彰されたこと等により、課題進捗がおおむね順調に進展していると判断。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチピエゾLNO系ので多相境界での向上効果の究明と共に、CaZnOS, SrAl2O4、Sr3Sn2O7などの材料系についての比較検討進める。
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Research Products
(16 results)