2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Integrated System for Selective Recovery and Purification of Lithium from Geothermal Water
Project/Area Number |
19H00842
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
吉塚 和治 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70191567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 達也 宮崎大学, 工学部, 教授 (00343335)
西浜 章平 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (00347668)
武井 孝行 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90468059)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リチウム / 分離回収 / 高純度精製 / 統合型システム / 地熱水 / 吸着分離 / 電気透析 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 吸着分離法を用いた地熱水からのリチウムの分離回収の実証試験 リチウム吸着剤を充填した吸着分離カラムを設置した分離回収装置を用いて、実地熱水よりリチウム吸着カラムにリチウムを選択的に吸着し、その後カラムの水洗浄、塩酸を用いて脱着して濃縮したリチウム脱着液を得る実証試験を行い、供給液速度、吸着後のカラム洗浄(スクラビング)、脱着についての最適操作条件の探索とその性能評価を行っている。リチウム吸着剤としては、λ型二酸化マンガン系吸着剤を用い、地熱水中のナトリウムやカルシウム、シリカ、ヒ素などの共存イオンに対する吸着剤のリチウムの吸着特性や選択性について検討している。実験に使用する地熱水は、新潟県胎内市のJX石油開発の中条油業所にて天然ガスとともに汲み上げられている地熱水を用い、現地にて試験装置を設置して行っている。 (2) バイポーラ電気透析法を用いたリチウムの分離回収試験 バイポーラ電気透析装置にてリチウムを電解し、陰極室から水酸化リチウムの濃厚水溶液を、陽極室から塩酸の濃厚水溶液を直接得るための基礎研究として、塩化リチウムを溶解した水溶液を用いてバイポーラ電気透析装置による電解を行い、水酸化リチウムと塩酸の生産効率とpHやリチウム濃度、塩酸濃度、電圧、電流との関係を明らかにした。試料液/陰極液(=陽極液)の液量比を10~20倍に変化させ、水酸化リチウムおよび塩酸の濃縮効果を検討している。また、電気透析法と比較するために、現地試験で得られたリチウム溶離液を蒸発法により濃縮し、その濃縮効率とエネルギーコストの試算を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初令和元年度に予定していた研究実施計画の項目の全てを実施しており、おおむね順調に実験結果を積み上げることができた。また、JX石油開発のご協力を得て、現地試験を実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、令和2年度に引き続き「地熱水からのリチウムの分離回収ならびに高純度精製のための統合型システムの開発」に関する研究として、 (1) 地熱水からのリチウムの分離回収の実証試験 リチウム吸着剤を充填した吸着分離カラムを設置した分離回収装置を用いて、供給液速度、吸着後のカラム洗浄(スクラビング)、脱着についての最適操作条件の探索とその性能評価を行う。 (2) バイポーラ電気透析法を用いたリチウムの分離濃縮試験 (1)の処理によって得られたリチウム脱着液をバイポーラ電気透析装置にて電解し、陰極室から水酸化リチウムの濃厚水溶液と陽極室から塩酸の濃厚水溶液を直接得るために、水酸化リチウムと塩酸の生産効率とpHやリチウム濃度、塩酸濃度、電圧、電流との関係を明らかにする。このとき、試料液と陰極液および陽極液の液量比を10~20倍に変化させ、水酸化リチウムおよび塩酸の濃縮効果を明らかにする。
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Research Products
(7 results)